肌寒い季節になると、香ばしく炒ったギンナンや、茶碗蒸しの中にそっと忍ばされた綺麗なエメラルドグリーンの実が恋しくなりますよね、さらにお酒のおつまみとしても最高の一品です。
しかし、この「秋の味覚」の代表格であるギンナンには、医学的に非常に重要な注意点が存在します。
今回は農林水産省や日本中毒情報センターの注意喚起をもとに、ギンナン中毒が起きる医学的・化学的メカニズムと、最新の知見を踏まえた安全な摂取知識を分かりやすく解説します。
1. なぜ銀杏で中毒が起きるのか?医学的メカニズム
銀杏を食べて引き起こされる中毒症状(嘔吐、下痢、顔面蒼白、呼吸困難、意識障害、けいれんなど)の犯人は、銀杏に含まれる「4'-O-メチルピリドキシン(MPN: 4'-O-methylpyridoxine)」という物質です。
この物質は、私たちの体内で極めて重要な働きをする「ビタミンB6」と分子構造が非常によく似ています。
◎脳内のブレーキ役を狂わせる「拮抗作用」
通常、ビタミンB6は脳内で興奮を抑える神経伝達物質「GABA(ギャバ)」が合成される際の補助(補酵素)として働いています。
しかし、銀杏を食べ過ぎてMPNが体内に大量に入ると、MPNがビタミンB6になりすまして酵素に結合してしまいその結果、ビタミンB6の働きが強力に阻害され、脳内のGABAが急激に不足し、脳のブレーキが利かなくなり、結果として「けいれん発作」などの神経症状が誘発されるのです。
2. 加熱しても消えない!知っておくべき3つの化学的・医学的事実
① 熱に強い毒素(加熱調理でも不活化しない)
「しっかり焼いたり煮たりすれば大丈夫」と思われがちですが、MPNは熱に対して極めて安定した化学構造を持って炒める、茹でる、電子レンジで加熱するといった通常の調理を行っても毒性は消えません。
② ビタミンB6の潜在的不足状態に注意
中毒の発生には個体差があります。日常的に偏食傾向のある方、あるいはアルコールを頻繁に摂取する方は、体内のビタミンB6が慢性的に消費・不足しがちでこのような状態では、通常よりも少ない個数で中毒症状が現れるリスクが高まります。
③ 年齢による影響(特に小児は厳禁)
解毒代謝機能が未発達な5歳以下の子どもには、絶対に与えないよう注意が必要で、過去には子どもが6〜7個食べただけで重篤なけいれんを起こした症例も報告されています。
大人であっても、一度に40〜50個以上を過剰摂取することは極めて危険です。
2. 加熱しても消えない!知っておくべき3つの化学的・医学的事実
① 熱に強い毒素(加熱調理でも不活化しない)
「しっかり焼いたり煮たりすれば大丈夫」と思われがちですが、MPNは熱に対して極めて安定した化学構造を持って炒める、茹でる、電子レンジで加熱するといった通常の調理を行っても毒性は消えません。
② ビタミンB6の潜在的不足状態に注意
中毒の発生には個体差があります。日常的に偏食傾向のある方、あるいはアルコールを頻繁に摂取する方は、体内のビタミンB6が慢性的に消費・不足しがちです。
このような状態では、通常よりも少ない個数で中毒症状が現れるリスクが高まります。
③ 年齢による影響(特に小児は厳禁)
解毒代謝機能が未発達な5歳以下の子どもには、絶対に与えないよう注意が必要です。
過去には子どもが6~7個食べただけで重篤なけいれんを起こした症例も報告されています。
大人であっても、一度に40〜50個以上を過剰摂取することは極めて危険です。
3.もしも中毒が疑われたら?(緊急時の対応)
万が一、銀杏を食べたあとに激しい嘔吐やけいれん、めまいなどの異変が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
病院での治療では、MPNの作用に対抗するために大量のビタミンB6製剤(静脈注射)の投与などが行われます。
判断に迷う場合は、公益財団法人 日本中毒情報センターの「中毒110番」等へ相談するのも有効な手段です。
おわりに
「毒があるなら食べないほうがいい」というわけではありません。
銀杏は適切な量を守って味わう限り、秋の季節感を彩る素晴らしい食材です。
大人の目安としては1日あたり数個〜十数個程度にとどめ、お酒の席でも「美味しいから」とついつい手を伸ばしすぎないことが大切です。
正しい科学的知識を身につけて、安全に旬の味覚を楽しみましょう。
【参考資料】
『ギンナンの食べすぎには注意しましょう 日本中毒情報センター』
