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ラベル 季節性インフルエンザ特集-7.💉 インフルエンザワクチンと鶏卵アレルギー:最新ガイドラインに基づくQ&A- の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年12月11日木曜日

季節性インフルエンザ特集-7.💉 インフルエンザワクチンと鶏卵アレルギー:最新ガイドラインに基づくQ&A-

 ◎なぜ「鶏卵アレルギー」の疑問が起こるのか?

日本人の約半数が何らかのアレルギー疾患を持つとされる現代において、鶏卵アレルギーはインフルエンザワクチンの接種対象者は大きな関心事であり、現在もその危惧は多くの人が持っていると思います

インフルエンザワクチンは孵化鶏卵を用いて製造されるため、微量の卵白アルブミン(鶏卵アレルゲン)が混入する可能性が指摘されていることから、鶏卵アレルギーを持つ人にとって接種が可能かどうかという疑問を生む主な理由でした。


✅ 最新の医学的結論:鶏卵アレルギー患者は接種可能か?

💡 結論:原則として接種は可能です

最新の知見と国内の予防接種ガイドラインに基づき、鶏卵アレルギーはインフルエンザワクチンの接種における禁忌(接種してはいけない状態)ではありません。

近年の多くの臨床研究や報告により、重度の鶏卵アレルギーを持つ患者さんに対しても、現行のインフルエンザワクチンは極めて安全性が高いことが示されています。

【最新知見のポイント】

1.アレルゲン含有量の極小化: 現代のインフルエンザワクチン(特に日本で主流の不活化ワクチン)は、製造工程で高度に精製されており、卵白アルブミンの含有量が極めて少なく、臨床的に問題となるレベルではないことが確認されています。

2.安全性の確立: 重度の鶏卵アレルギーを有する患者への接種が可能であるという報告が多数なされており、アレルギー専門医の監督下でなくとも、通常の方法での接種が推奨されています。


🛑 接種における【重要な注意点】と対応

鶏卵アレルギーが禁忌でなくなったとしても、アレルギー体質全体に対する注意は引き続き必要で『予防接種ガイドライン2023年度版』などを参照し、以下の点に留意する必要があります。

1.アレルギー疾患のコントロール不良によるリスク

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー疾患があること自体は、接種不適当者(接種できない人)には該当しませんが、これらの疾患がコントロール不良(症状が不安定で頻繁に出ている状態)である場合は、以下の問題が生じるリスクが高まります。

・副反応との鑑別困難: ワクチン接種後に発熱や皮膚症状が出た場合、それがワクチンの副反応なのか、それとも元々のアレルギー疾患の増悪なのかの判断(鑑別)が難しくなります。

・リスクの増大: 特に気管支喘息がコントロール不良の場合、アレルギー反応が重篤化するリスクが高まる可能性があります。

👉 対策: 接種前にアレルギー疾患を良好にコントロールすることが極めて重要で 該当する疾患がある場合は、接種前にかかりつけ医と相談し、症状が安定していることを確認しましょう。

2.アナフィラキシーへの備え

ワクチン接種後のアナフィラキシー(重篤な即時型アレルギー反応)は極めてまれではあるものの、予測不可能で誰にでも起こりうるものです。

・医療機関の体制: 接種を行う医療機関は、常日頃からエピネフリン(アドレナリン)などの緊急時薬剤や救急処置の体制を整えておくことが不可欠です。

・慎重な対応が必要な場合: 保護者や接種医が強い不安を抱く場合や、過去に重度のアレルギー反応の既往がある場合は、「要注意者」への対応に準じ、接種後の**慎重な観察(通常より長い時間など)**と緊急時体制を強化して接種を行います。

3.専門家への相談

接種の可否判定や、合併するアレルギー疾患のコントロールについて判断に困る場合は、安易な自己判断を避け、アレルギー専門医や専門施設への紹介が強く推奨されます。


🎯 まとめ:最も大切なこと

鶏卵アレルギーはインフルエンザワクチンの「禁忌」ではない!合併する他のアレルギー疾患が「良好にコントロールされている」ことを確認することが重要!とされていますが、摂取前には必ずかかりつけ医とよく相談されることです。

【注意事項】

鶏卵アレルギーの人でもインフルエンザワクチンの「禁忌」ではないということを最新の医学観点から紹介しましたが、これはすべての人に当てはまりませんので、鶏卵アレルギーの人がインフルエンザワクチンの接種受ける際には、かかりつけ医とよく相談して接種の判断をご自身がされる必要があります。

鶏卵アレルギーの人全てに問題はないと申し上げていませんのでその点ご留意ください。