梅毒、淋病、クラミジアなどの性感染症の増加もさることながら、その影でHIVの再流行が危惧されています。
『HIV検査体制の改善と効果的な受検勧奨のための研究-令和5年度 総括・分担研究報告書-』によりますと、2022年のHIVの検査実施数は42805件で陽性者数が72件だったのに対し、2023年は検査数が63120件で陽性者数は116件と1年で大きく増加しているという現実を突きつけられることになりました。
要するに新型コロナウイルスの流行でHIV検査数が減少しただけで、実質は水面下でHIVの流行は起こっていたことになります。
新型コロナウイルスの流行が収まり、HIV検査を受ける人が戻った結果、なんとHIV流行が起こっていたということなのです。
要するにHIV検査を受ける人が減少した結果、HIV感染者が減少していたという皮肉な話だったわけです。
現在HIVに感染しても早期発見早期治療によって死に至ることはなく、天寿を全うすることが可能となっています。
※エイズを発症してしまってからの治療効果は芳しくありません※
またコンドームを正しく要することにより感染はほぼ予防可能です。
更に『曝露前予防内服』や『曝露後予防内服』の進歩による感染予防も高い効果を得ています。
HIVは性行為と血液を介して感染し、HIV感染者と一緒に食事やおしゃべりをしたりしても感染しませんし、蚊などの昆虫が媒介することもないし、唾液で感染することもありません。
要するにほぼ100%近く感染予防ができるわけです。
大切なことは一人ひとりが正しい感染予防を行い、危険な行為をしてしまったら必ず適切な時期にHIV検査を受けることです。
そうすることによりHIV流行を過度に恐れることはなく、正しく感染予防が可能となります。