パスツレラ症は、パスツレラ属(Pasteurella)菌を原因菌とする日和見感染症です。
パスツレラは、フランスの化学者・細菌学者のルイ-パスツール(1822~1895年)に因んでの命名されています。
日本国内では、2002年にネコから感染した95歳の女性が死亡した症例が文献的に報告された国内初の症例で、私の知る限りでは以後これまでに5例の死亡例を含む14例が報告されています。
この14例の内訳は、イヌからの感染が7例、ネコからの感染が6例、不明1例となっています。
近年、日本ではパスツレラ症の患者発生が増えていますが、この要因としてはイヌやネコに咬まれて感染する感染症として患者数が多いことと考えられています。
【症状】
パスツレラ菌の感染後、30分~2日で皮膚症状、呼吸器症状が現れます。
イヌやネコ咬まれたり、引っ掻かれたりしたあと、傷ができたところが腫れ、化膿する症状が主で呼吸器系の疾患、骨髄炎、外耳炎等の局所感染、敗血症、髄膜炎等の全身重症感染症を引き起こし最悪死亡することもあります。
傷口から精液様の臭いのする浸出液が排液されるのが特徴です。
高齢者、糖尿病患者、免疫不全患者等の基礎疾患を持つ人が特に感染しやすく、重症化の例も多く視られます。
【パスツレラ菌の保菌動物】
イヌの約75%、ネコのほぼ100%(爪70%)がパスツレラ菌を口腔内常在菌として保有しています。
【動物の症状】
イヌやネコでは一般に無症状です。
【検査と診断】
パスツレラ症では特徴的な症状が無いため、受診時の注意点としてどの診療科を受診してもイヌやネコとの接触があることを申告する必要があります。
細菌鑑別培地にマッコンキ-寒天培地を第一選択肢とすべきですべきで、BTB寒天培地にはパスツレラ菌以外の細菌が発育することからしてBTB寒天培地は使用すべきではありません。
PCR法を用いた培養サンプルからの直接的なパスツレラ菌遺伝子の検出も可能です。
【治療法】
高齢者、基礎疾患のある患者、咬・掻傷等では抗生物質の早期投与が重要となります。
早期に適切な薬剤を選別し、初期治療を十分に行う必要があります。
多くの抗生剤が有効であり、ペニシリン系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール、セファロスポリン系に高い感受性を示し有効です。
グリコペプチド系のバンコマイシン、リンコマイシン系のクリンダマイシンには高い耐性が認められるため使用は適切ではありません。
【感染予防対策】
ペットとしてのイヌやネコとの濃密な接触が増える昨今、パスツレラ菌の感染も増加することが心配されていますが、この病気は口移し等の過剰な接触を行わないこと、動物からの受傷に気をつけることにより防止できます。
パスツレラは、フランスの化学者・細菌学者のルイ-パスツール(1822~1895年)に因んでの命名されています。
日本国内では、2002年にネコから感染した95歳の女性が死亡した症例が文献的に報告された国内初の症例で、私の知る限りでは以後これまでに5例の死亡例を含む14例が報告されています。
この14例の内訳は、イヌからの感染が7例、ネコからの感染が6例、不明1例となっています。
近年、日本ではパスツレラ症の患者発生が増えていますが、この要因としてはイヌやネコに咬まれて感染する感染症として患者数が多いことと考えられています。
【症状】
パスツレラ菌の感染後、30分~2日で皮膚症状、呼吸器症状が現れます。
イヌやネコ咬まれたり、引っ掻かれたりしたあと、傷ができたところが腫れ、化膿する症状が主で呼吸器系の疾患、骨髄炎、外耳炎等の局所感染、敗血症、髄膜炎等の全身重症感染症を引き起こし最悪死亡することもあります。
傷口から精液様の臭いのする浸出液が排液されるのが特徴です。
高齢者、糖尿病患者、免疫不全患者等の基礎疾患を持つ人が特に感染しやすく、重症化の例も多く視られます。
【パスツレラ菌の保菌動物】
イヌの約75%、ネコのほぼ100%(爪70%)がパスツレラ菌を口腔内常在菌として保有しています。
【動物の症状】
イヌやネコでは一般に無症状です。
【検査と診断】
パスツレラ症では特徴的な症状が無いため、受診時の注意点としてどの診療科を受診してもイヌやネコとの接触があることを申告する必要があります。
細菌鑑別培地にマッコンキ-寒天培地を第一選択肢とすべきですべきで、BTB寒天培地にはパスツレラ菌以外の細菌が発育することからしてBTB寒天培地は使用すべきではありません。
PCR法を用いた培養サンプルからの直接的なパスツレラ菌遺伝子の検出も可能です。
【治療法】
高齢者、基礎疾患のある患者、咬・掻傷等では抗生物質の早期投与が重要となります。
早期に適切な薬剤を選別し、初期治療を十分に行う必要があります。
多くの抗生剤が有効であり、ペニシリン系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール、セファロスポリン系に高い感受性を示し有効です。
グリコペプチド系のバンコマイシン、リンコマイシン系のクリンダマイシンには高い耐性が認められるため使用は適切ではありません。
【感染予防対策】
ペットとしてのイヌやネコとの濃密な接触が増える昨今、パスツレラ菌の感染も増加することが心配されていますが、この病気は口移し等の過剰な接触を行わないこと、動物からの受傷に気をつけることにより防止できます。