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2014年10月27日月曜日

エボラ出血熱-2.エボラウイルスとは-

【エボラウイルスの分類】

エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスとは、フィロウイルス科エボラウイルス属に属するウイルスです。

フィロウイルスとは、ラテン語で"糸"と言う意味です。

大きさは、80~800nmの細長いRNAウイルスで、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様です。

【発見】

1976年にスーダン(現:南スーダン)のヌザラ (Nzara) という町で男性患者から発見されています。

【起源】

現時点では不明ですが、おそらくコウモリやげっ歯類が保有しているものが何らかの理由で人に感染したと考えられています。

【感染様式】

エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の血液、分泌物、吐物、排泄物や患者の体液等に汚染された医療器具物質に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します。

しかし、症状のない患者からは感染しませんし、空気感染もしません。

【ウイルスの危険度】

人類が発見したウイルスの内で最も危険なウイルスのひとつとされています。

数個のエボラウイルスが体内に入るだけで感染すると言われており、ひげ剃りあとの小さな傷や、目に見えない手先の擦り傷に微量のエボラウイルスが付着するだけで感染する可能性が指摘されています。

エボラウィルスはWHOのリスクグループ4の病原体に指定されており、バイオセーフティーレベル(BSL)は最高度の4が要求されています。

国は、世界保健機関が定めたウイルスの危険度バイオセーフティーレベルに応じて、ウイルスを扱うことができる施設を定めていますが、エボラウイルスのBSLは最高レベルのBSL-4で、国内では国立感染症研究所と茨城県つくば市の理化学研究所バイオリソースセンターの2ケ所でしか取り扱う事ができません。

現実これら国内のBSL-4の2ケ所の設備は、地域住民の理解が得られず稼働できないのが現状です。

従って現時点で日本国内にエボラ出血熱が発生すれば、検査やウイルスの解析のできる施設はないということです。

このように日本では、BSL-4に属するウイルスが侵入すればお手上げの状態です。

【予防ワクチン】

2014年10月現時点で医療現場で使用できる現在存在しませんが、WHOは2015年には予防ワクチンが出来上がり、使用可能と発表していますがその効果は今だ不明です。

【治療薬】

やはり2014年10月現在存在していませので、患者の症状にあわせた対症療法しか出来ません。

エボラ出血熱へ治療効果があるとされる薬剤としては、富山化学が開発した抗インフルエンザ薬として承認されているアビガン(一般名ファビピラビル)がありますが、この薬剤は現時点ではエボラ出血熱の治療薬としては承認されていません。

海外で使用されて、治療に成功したという報告もされていますが引き続き臨床検討が必要とされています。

それ以外に米国、カナダなどの未承認薬が治療効果がみられるとの報告がされていますが、完全な治療薬ではなくまだまだ臨床検討をする必要があります。

【日本国内での医療体制】

日本国内で患者が発生した場合は、全国で45ケ所の医療機関で対応すると国はしていますが、日本国内ではエボラ出血熱の治療経験のある意思が皆無に等しく、上記にも述べましたように検査体制も全く整っていないことからして、完全に対応はできないと指摘する専門家が大勢を占めています。

過去にもHIV感染者が出た時でも、大パニックとなり受け入れ拒否をした医療機関が続出したことからしても、十分な医療は難しいと考えざるを得ません。

取り越し苦労であれば良いのですが。