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2012年11月12日月曜日

HLA検査-5.HLAとベーチェット病との関連性-


ベーチェット病とは全身に色々な症状が繰り返し現れる病気で、トルコの皮膚科医ベーチェットによって初めて報告された病気です。

ベーチェット病には、口腔内アフタ、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍の四つの症状があります。

ベーチェット病患者は、HLA-B51抗原を有していることが多く、患者群では40-80%と高率でであり、健常群の10-30%と比べて明らかに高い保有率が確認されています。

即ち、ベーチェット病患者ではHLA-B51抗原を保有する人が有意に多いことです。

このことは、国や人種を越えて認められる所見であり診断の参考になります。

※しかし、HLA-B51抗原を保有する人が必ずしもベーチェット病になるとは限りません※

近年、第6染色体のHLA領域の解析によってHLA-A26抗原が、HLA-B51抗原とは連鎖しないで独立にベーチェット病と相関していることもわかってきました。

その結果、HLA-A26抗原がベーチェット病の第2の疾患感受性遺伝子であることが示唆されています。

HLA-B51抗原、HLA-A26抗原の両抗原のどちらかを保有している患者は、ベーチェット病患者全体のおよそ80%に認められています。

HLA-B51抗原とHLA-A26抗原のどちらを有するか、または両抗原とも有するか、両抗原とも保有しないかということで、ベーチェット病の病態や重症度に違いも認められています。