2023年5月11日世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「サル痘(エムポックス)」について、感染者の減少が続いているとして、2022年に宣言した「緊急事態」の終了を発表しました。
テドロス事務局長は記者会見で"エムポックスは引き続き公衆衛生上の大きな課題で、忍耐強い対策が必要だ」"と述べ、警戒を怠らないよう訴えています。
アフリカの一部地域で発生していたサル痘は、2022年5月ごろから欧米などに感染が拡大し、日本では2022年7月に感染者が初確認されています。
世界保健機関によると、2022年8月には1週間当たりの世界の新規感染者が7500人を超えましたが、ここ数カ月は100人前後で推移しています。
日本においても世界保健機関の「緊急事態」の終了を受けて2023年5月12日外務省は、全世界を対象に出していた渡航や滞在に十分な注意を促す「感染症危険情報」(レベル1)を同日付で全て解除すると発表しました。
※レベル1の危険度は、4段階のうち最も低いレベル※
世界的にみると感染者数は減っていますが、日本では2023年に入ってから患者の報告が増えています。
2023年5月2日時点で129人の感染が確認されています。
国立感染症研究所は、これまで報告された感染者のうち、100人は発症前21日間に性的接触があったことが確認されていることから「国内でも男性同士の性的接触による感染伝播が起こっている可能性が示唆される」としています。
日本ではことし2023年以降に感染者が増え3月にピークを迎えた後、少し感染者は減り、いまは横ばいの状況が続いています。
海外と比べてなぜ、遅れて感染が広がったのかは明確になっていませんが、人と人との接触が何らかの理由で増えたのではないかと推察されますので、日本では今後も感染者が増えていく可能性もあり、海外の専門家やメディアなども日本の感染状況を注視しています。
各人がサル痘に対する正しい知識を持ち、正しく感染予防を行う必要が当分はあるようです。