3. CEA(癌胎児性抗原)
CEAは大腸癌組織の抽出物で、胎児の消化管にも存在する癌胎児性抗原です。
血液中のCEAは、食道、胃、直腸等の消化器系の腫瘍マーカーとして広く用いられていますが、進行性胃がんの30~40%にしか検出されません。
乳癌や卵巣癌などの多くの腫瘍で高値となるため臓器特異性が低いことから、CEAの検査のみでがんの診断はできません。
また、CEAが高くなる場合は、進行がんが多く、早期がんの診断には適さないので注意が必要です。
CEAの基準値
5.0ng/ml以下
CEAの値が高値である場合、体のどこかにがんがある可能性が高いので、症状にあわせてほかの血液検査やX線造影、超音波、CTなど消化器系を中心に精密検査も必要になります。
また、CEAが高値を示した時のがんは進行性であり、CEAの高値ががんによる場合は上昇傾向を示すため、1~2ヵ月後に再検査を行い、これで変動がなければ、高値でも問題のないときもあります。
しかし、基準値の倍以上ではがんの疑いが濃厚、4倍以上では転移がんが疑われます。
健康な人でも約3%の人は基準値を超える場合があるのと高齢でもやや上昇する傾向があります。
がんを切除したり、抗がん剤治療でがんが縮小したりするとCEAの値は低下します。
※CEAは、ヘビースモカーでも疑陽性となることがあります。