梅毒に感染して一度身体の中にTP抗体が出来てしまいますと、一生涯TP抗体は消えることがありませんので、TPHAやFTA-absは陽性のままとなります。
そのことから、梅毒の治療効果を判定するのにはTPHAやFTA-absを利用することは出来ません。
STSによって治療効果の判定を行います。
間違ってTPHAやFTA-absを治療効果の判定に利用しますと、STSが陰性になっているにもかかわらず、TPHAやFTA-absは陽性の状態が続くことから、いつまでも不必要な抗生物質の投与を行い、TPHAやFTA-absの陰性化を待つという誤った治療が行われることがあります。
現実、STSが陰性化して梅毒は完全に治癒しているにもかかわらず、TPHAやFTA-absが陽性のためTPHAやFTA-absの陰性化を目指して、延々と治療を続けることがよく見られます。
梅毒の感染の判断には、STSとTPHAやFTA-absを組み合わせて検査を行い、梅毒感染であると判断された後の治療効果の判定には、STSを使用して検査を行います。
TPHAやFTA-absは、治療効果判定の指針検査とはなりません。