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2018年12月19日水曜日

免疫グロブリン検査-3.IgA抗体-

IgA抗体は、形質細胞より産生され成人においては血中に存在する免疫グロブリンの約10%を占めています。

IgA抗体のほとんどは単量体ですが、二量体の分泌型IgAとしても存在し、唾液、涙液、鼻汁、気道・消化管分泌液、乳汁などの分泌液中に高濃度で存在し、局所免疫の中心として、感染防御や食物アレルギーの予防の働きを担っています。

IgA抗体は胎盤通過性はないので、出生直後はごく微量で、生後6ヵ月頃から徐々に産生され、思春期までにほぼ成人値となります。

IgA抗体は特に腸に多く存在しますが、これは食べ物一緒にウイルスや細菌などが侵入しやすいためだと考えられています。

【検査法】

免疫比濁法

【基準値】

90~400mg/dl

※使用する機器や検査法によって若干異なる※

【高値】

多クローン性: 慢性肝炎、膠原病、IgA腎症、ウィスコット・オルドリッチ症候群、慢性感染症、悪性腫瘍

単クローン性:IgA型多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、IgA型無症候性M蛋白血症、H鎖病
【低値】

ブルトン型無γ-グロブリン血症、選択的IgA欠損症、IgA型以外の多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、サルコイドーシス、毛細血管拡張型運動失調症、分類不能型免疫不全症、ネフローゼ症候群、ステロイド剤連用

【IgG抗体と新生児の関係】

母乳にはIgA抗体が特に多く含まれており、赤ちゃんを感染から守っています。

【小児の基準値】

生まれてすぐは10mg/dl以下で、加齢に伴い徐々に漸増し、15~18歳で成人レベルになります。