例年であれば11月頃から流行が始まるインフルエンザ。
しかし、今年は9月に入ってまもなく、全国各地で感染が報告され、学校の休校や学級閉鎖が相次いでいます。
一体なぜ、こんなに早い時期からインフルエンザが流行しているのでしょうか?
◎異例の速さで広がるインフルエンザ◎
今年のインフルエンザの流行は、これまでとは一線を画しています。
例年よりも2ヶ月ほど早く、すでに「流行シーズン入り」を発表した地域もあります。
あるクリニックの院長によると、例年の夏はインフルエンザの患者が月に2〜3人程度だったのが、今年はその3〜4倍に増えているとのこと。
この事態は、まさに「異例の年」と呼べるでしょう。
大学生が感染して高熱を出すケースや、家族全員がわずか数日のうちに感染する家庭内感染も発生しており、その感染力の強さがうかがえます。
◎なぜインフルエンザは例年より早く流行しているのか?◎
この異例の事態の背景には、いくつかの要因が考えられます。
1. 同時流行による受診機会の増加
今年は、新型コロナウイルスに加え、溶連菌や百日咳といった他の感染症も流行しています。
これにより、発熱などの症状で医療機関を受診する人が増えています。
多くのクリニックでは、一度の検査でコロナとインフルエンザを同時に調べられるキットを使用することが多く、その結果、例年よりも早い段階でインフルエンザの感染者が見つかっている可能性があります。
2. 異常な暑さによる体力の低下
今年の夏は記録的な暑さとなり、夏バテで抵抗力が落ちている人が多いと考えられ免疫力が低下した状態でウイルスにさらされると、感染しやすくなります。
3. エアコンと換気不足
長時間にわたるエアコンの使用も、ウイルスの拡散に影響を与えている可能性があります。
ウイルスは、室温が下がると活動力を長時間保つことができます。
また、暑さのために窓を閉め切り、換気が不十分になっている家庭や施設が多いことも、ウイルスの滞留を招き、感染拡大の一因となっていると見られています。
◎これからの対策は?◎
インフルエンザの早期流行は、これからの季節に備えて、改めて感染対策の重要性を再認識する機会となります。
・マスクの着用: 人が集まる場所ではマスクを着用しましょう。
・手洗い・うがい: 外出後や食事前には、手洗いとうがいを徹底しましょう。
・換気の徹底: エアコンを使う際も、こまめに窓を開けるなどして換気を行いましょう。
・「三密」の回避: 密集、密接、密閉を避けることで、感染リスクを減らせます。
今年のインフルエンザは、例年以上に注意が必要です。
これらの対策をしっかりと行い、自分自身と大切な人を守りましょう。