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2014年1月31日金曜日

痛風の検査-3.尿酸検査-

痛風の原因となる尿酸が、血液中に溶け込む事ができる限界濃度(尿酸飽和濃度)が尿酸値検査の基準値の上限とされていますが、この値が"7.0mg/dL"です。

限界濃度(尿酸飽和濃度)を超えると、尿酸は血液中に溶けこむ事が出来なくなりやがて尿酸は、ガラスの破片のようにとげとげとした針状の尿酸塩結晶となり血液と共に体内を漂いやがて関節に少しずつ沈着していきます。

痛風を発症する患者では、多くの場合発作が起こっていない時には血液検査での高尿酸血症が見られますが、逆に25%の患者で発作が起こっている時でも尿酸値が正常であることがあります。

【基準値】

男性 3.5~7.0mg/dL

女性 2.5~6.0mg/dL

※検査方法や使用する検査機器によって基準値は若干異なります※

【基準値より高い場合】

痛風(予備軍も含む)

高尿酸血症

腎機能障害

【基準値より低い場合】

尿酸が低値であることによって特別病気を引き起こすことははありません。

妊娠初期は低値になる傾向があります

【おまけ】

尿酸そのものは、非常に抗酸化力が強いことから人体にとって必要不可欠な成分ですが、必要以上に多くなることは痛風を引き起こすことになります。

近年は食生活の大きな変化に伴い尿酸値が高い人が増加しています。

そのため痛風予備軍や痛風の患者が増加する傾向にあります。

2014年1月10日金曜日

痛風の検査-2.尿酸について-

尿酸とは、プリン体と呼ばれる物質の代謝産物で、このプリン体を多く摂取すると高尿酸血症となり、痛風を引き起こすことになります。

尿酸の結晶は比重が高く重力に引かれて足部に沈着しやすいため、痛風発作(痛風性関節炎)は足趾(特に母趾MP関節)に好発します。

アルコールは肝臓で尿酸が作られるのを促進し、血液中の尿酸濃度を上昇させることから痛風のリスクを高めることになります。

すべてのアルコールが血液中の尿酸濃度を上昇させるリスクが有るわけではなく、

1.ビールは最もリスクが高い。

2.ワインは痛風のリスクを高めることはない。

3.焼酎やウイスキーはそれほど痛風のリスクは高くはありません。

食べ物にも痛風を引き起こすリスクを有するものはあります。

肉特にレバーや魚(カツオ・イカ類・マイワシの干物)に含まれるプリン体も痛風のリスクを高めるますが、野菜に含まれるプリン体は痛風のリスク高めることはなく、果糖は急速に代謝されてアシドーシスを引き起こしやすく、酸性下で尿酸が析出しやすくなります。

このことからして、果糖を構成体に持つ砂糖の多いドリンクを好んで飲用したり、果糖を含むフルーツジュースの摂取も痛風のリスクを増大させる原因の一つとなっています。

見逃しやすいのは、健康食品にも多くのプリン体が含まれているものがあるということです。

特に、DNA/RNA、ビール酵母、クロレラには極めて多くのプリン体が含まれていますで、注意が必要です。

2013年12月31日火曜日

痛風の検査-1.痛風とは何?-

痛風は西洋では古くから知られた病気ですが、日本においては明治以前までは存在しなかった病気とされています。

痛風が日本で増加し始めたのは1960年代からです。

この原因として考えられることは、食生活が欧米化し動物性タンパク質や動物性脂質を取りすぎるようになったことが指摘されています。

現在日本では、およそ60万人の痛風患者が存在すると推定されています。

そして患者の90%以上が男性で、年齢層としては40~50歳代に多く存在しています。

女性の場合は、ほとんどが閉経後に痛風となり生理がある間には痛風にはなることはまずありません。

その理由としては、女性ホルモンの一種のエストロゲンが関与しています。

エストロゲンは体内の尿酸をスムーズに体外へと排出させる働きがあることから、エストロゲンの分泌のない男性は尿酸値が高くなります。

一方、女性はエストロゲンのおかげで痛風に罹りにくいわけですが、卵巣からエストロゲンの分泌が止まる時期、つまり閉経後は痛風に注意する必要があります。

痛風は、高尿酸血症を原因とした関節炎を引き起こす疾患で、発作の箇所の痛みが風が吹く様に足・膝・腰・肩・肘・手や胸骨など全身の関節を移動し、そして風の副強さが強まったり穏やかになったりする様に痛みが激しくなったり和らいだりを繰り返すことから命名されたとされています。

また、風にあたっても激しく痛むからとの説もあります

痛風になると関節に激烈な痛みが起こりますが、この痛みは耐え難いものです。

患部の腫れた箇所の側を猫が通った時に起こるかすかな空気の動きでも激痛が走るとも言われています。