新型コロナウイルスの新しい変異株について、現時点(2023年8月29日)で判明していることを紹介します。
BA.2.86株は、オミクロン株の亜種のひとつで、2023年7月に初めて確認され現在、アメリカ、イギリス、南アフリカ、イスラエル、デンマークなど、世界各国で感染が確認されています。
BA.2.86株は、BA.2株からさらに進化した変異株で、以下の特徴があります。
スパイクタンパク質に30以上の変異があり、ワクチンや過去の感染による免疫を回避する可能性が高まっています。
更に感染力が高い可能性があります。
米国疾病対策センター(CDC)は、BA.2.86株について、以下の警戒点を発表しています。
2023年8月29日現在GISAIDには13株が登録されており検出地域は、アフリカ2株、デンマーク4株、イスラエル1株、英国1株、米国3株となっています。
※GISAID(Global Initiative on Sharing Avian Influenza Data)は、2008年に設立された世界的な科学イニシアチブで、インフルエンザウイルスおよび新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) パンデミックの原因となる新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)のゲノムデータへのオープンアクセスを提供している※
しかし、遠く離れた地域から短期間に検出されていることや変異部位の多さによる免疫回避能力の点において今後の動向に注意が必要です。
日本からの登録はありません。
検出株数が少ない事と、発見されてから間もない事から感染力の強さや重症度等については今後の報告が待たれるところです。
米国疾病対策センターの(CDC)は新型コロナウイルスの新たな変異株「BA.2.86」について免疫回避の確率が高い恐れがあると指摘しています。
新たに発見された「BA.2.86」はアメリカ、イギリス、南アフリカ、イスラエル、デンマークの5か国で感染が確認されています。
また、米国疾病対策センターはアメリカで新型コロナの入院者数が前の週から20%以上増えて12613人に達したと報告しました。
「BA.2.86」が発見される前から増加傾向にあるものの、注意深く監視するとして警戒を強めています。