血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2024年5月12日日曜日

新型コロナウイルスの新しい変異株"ピロラ"とは

新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株から新たに派生した変異株「BA.2.86(通称・ピロラ)」が7月下旬にデンマークで初めて確認され、イスラエル、米国、南アフリカ、英国において検出され、日本では2023年9月7日に東京都内で初めて確認されています。

初期の研究では、ピロラにはさまざまな変異が生じていますが、免疫回避能力は以前の変異株とさほど変わっていません。

これはワクチンでこれまでと同様の予防効果を期待でき、XBB変異株に自然感染したことがあれば、この新たな変異株に対する免疫力は高まっているとされています。

これほど多くの変異を経たにもかかわらず、ピロラの免疫回避力はさほど高くないのは、おそらく現在はもう見なくなった有名な古株である初期のオミクロン株「BA.2」から進化したと考えられています。

しかしながら現在米国内でこの新しい変異株「BA.2.86(通称ピロラ)」が急速に広がっていきています。

この変異株は米国内で3番目に多い変異株となっています。

CDCや製薬会社はピロラやその派生型に対してもある程度の防御効果があると説明しています。

ピロラは免疫回避能が高くワクチン接種や過去の感染による免疫をすり抜ける能力が高いことが分かっています。

更に感染力が高く、BA.2よりも感染力が10%以上高いと推定されています。

重症化リスクについては現時点では不明です。

主な症状としては、発熱・喉の痛み・咳・鼻水・頭痛・倦怠感・筋肉痛等となっています。

日本においても数例か検出されています。

予防あ対策は、従来の新型コロナウイスと同じです。

※現時点では、新型コロナウイルス変異株「ピロラ」の名称の由来は、公式には発表されていません※

【参考資料】

『急速に広がる"ピロラ"COVID変異株BA2.86について知ってゆくべきこと、そしてワクチンが予防効果をもたらすかどうか』




2024年5月5日日曜日

ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)でHIVに感染!!

【お断り】

今回の記事は、ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)の、効果をウンヌンしたり否定しているわけではなく、感染の事実を伝えて施術者に注意を促すことを目的としています。


 ヴァンパイアフェイシャルは、血液療法の一種で1950年代に多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)の使用が始まり、現在では美容分野でも活用されるようになりました。

肌へ微細な傷をつけることで、傷を修復しようとする人体の自然治癒力の作用により、体内のコラーゲン生成を促進し、加齢とともに生じるシワやたるみ、毛穴の開き、ニキビ跡、妊娠線など、様々な肌の症状を改善する美容皮膚科治療の一つです。

PRP(多血小板血漿)注入療法は、ご自身の血液から専用の自己型注入剤を作り、血小板と白血球の放出する成長因子によって、シワ・たるみなどの老化症状を改善させる新しい美容再生治療です。

※多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)とは、再生医療の一種であるPRP(Platelet-Rich Plasma)療法で用いられる血小板が豊富に含まれた液体の血液製剤です※

※ヴァンパイアフェイシャルは、施術後に顔に赤みが出ることに由来して名付けられました。※

自身の血液から採取したPRPを使用するため、自然な方法で肌の再生を促すことができます。

ダーマペンと呼ばれる特殊な機器を使って、肌に微細な穴を開けることで、PRPの浸透を促進します。

※ダーマペンと呼ばれる先端にマイクロ針の付いたマシンで肌に微細な穴を空け、その穴にPRPを入れて肌の再生を促す治療です。

主な適応症は、アクネ、アクネ跡、シワ、たるみ、毛穴の開き、肌質の改善などです。

肌の再生を促すことをうたう美容ケア「ヴァンパイアフェイシャル」によって、少なくとも3人の女性のHIV感染が判明しています。

【感染の原因】

本来自分自身の血小板を使用することから血液そのものからの感染は考えられません。

しかし、施術者の中にHIV感染者がいて、その施術者に使用したダーマペンや注射器の使い回しや滅菌の不備が原因でHIVに感染したと考えられています。

しかも今回のHIV感染は無許可のスパで発生しています。

【注意】

1.血液を使う美容術は、HIVやHBVなどの血液を介して感染する感染症に感染するリスクが有る。

2.使用する器具が使い捨てや滅菌が不十分であるとこれらの器具から感染する。

3.無許可のスパで受けずに医療機関で受ける。

【参考文献】

CDC週報