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2011年11月23日水曜日

感染症検査ー1.B型肝炎検査-③HBc抗体検査-


③HBc抗体検査

HBc抗体は、HBV由来の蛋白HBc抗原に対して身体が免疫反応をして作られた物質で、感染の比較的早期から血中に出現し、ほぼ生涯にわたって血液中に認められます。



基準値 陰性

陽性の場合は、以下の二通りの場合があります。

1.高力価の場合

HBV感染の比較的早期から血中に出現し、ほぼ生涯にわたって血液中に認められます。

2.低力価の場合

HBVに過去に感染したか、一過性感染の場合が疑われます。

※CLIA法では10.0以上を高力価、以下を低力価※

HBs抗原陰性でHBc抗体陽性の場合は、HBs抗体が認められなくても、過去にHBVに感染したと解釈します。

その理由としては、身体の中にHBVが潜伏感染していて、健常者では臨床上全く問題は発生しませんが、何らかの原因により免疫能が低下するとHBVが再増殖し、B型肝炎が再燃することがあります。

従って、HBc抗体の検査はHBVの感染の判断をする上で極めて有用で、HBVキャリアではHBc抗体量は非常に高値を示します。

HBs抗原が陰性でHBs抗体は陽性であっても、HBc抗体陽性の場合には血中あるいは肝組織中にごく微量のHBVが存在していると解釈します。

2011年11月21日月曜日

感染症検査ー1.B型肝炎検査-②HBs抗体検査-


②HBs抗体検査

HBs抗原に対する中和抗体(感染防止抗体)で、これが血液中にあれば、過去にHBVに感染したことがあることを意味します。

HBVに感染しますと、急性肝炎を発病する人もあれば、ほとんど症状を起こさずにHBs抗体が出来ている人もいます。

HBVに感染して体内にHBs抗体が出来れば、体内のHBVは無毒化された事になり、以後肝硬変や肝がんになる心配はなくなります。

HBs抗体が陽性であれば、以後HBVに感染する心配はありません。

検査を受ける時期としては、HBVの感染がわかった時点で、定期的(検査をする時期は人それぞれによって異なることから専門医が総合的に判断します)に検査を続けていきます。

検査法には、化学発光免疫法(CLIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、電気化学発行免疫測定法(ECLIA)、酵素免疫測定法(EIA)、ラテックス凝集法(LA)、イムノクロマト法(IC)、凝集法(赤血球およびゼラチン)がありますが、これらの検査法によっての大きな差はありません。

2011年11月20日日曜日

感染症検査ー1.B型肝炎検査-①HBs抗原検査-


1.B型肝炎検査(HBV)-①HBs抗原検査-

HBs抗原はB型肝炎ウイルスのコア(芯)を覆っているサーフィス(殻)の部分
で、血液中にこれが存在すれば(陽性)であればHBVに感染していることになります。

しかし、HBVに感染していても、その90%は肝障害がない無症候性キャリアで、残りの10%が肝臓を障害されて慢性肝炎や肝硬変、肝ガンになっています。

HBs抗原を持っているキャリアは、日本人の2~3%を占めるとされています。

検査法としては、エライサ法、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)及びIC法による迅速検査があります。

●検査を受ける時期●

HBs抗原検査法の感度によって異なりますが、外国の文献によれば感染後約59日経てばHBs抗原検査は陽性となると言われていますが、チンパンジーを使った実験では、HBV量が極めて少ない血清をチンパンジーに接種した場合、HBs抗原が検出できるようになるまでに約3ヶ月かかったと記録されていることからして、3ケ月後に受けることが推奨されています。

近年、性行為に伴うHBV感染が拡大する傾向にあり、これまでの日本ではあまり見られなかったジェノタイプAのHBV感染が若い年齢層を中心に広がりつつあります。

このジェノタイプAのHBVに感染した人は、その10%前後がキヤリア化することから、専門家の間では危惧されています。

HBVもコンドームの正しい使用で感染予防が可能となりますから、コンドームを正しく使用して感染予防対策を剃る必要があります。

性行為によるHBVの感染を調べるHBs抗原検査は、行為から3ケ月が経過してから受ける必要があります。