【日本国内の梅毒患者の現状(2023年9月下旬時点)】
依然として梅毒が大流行しています。
2023年9月下旬までに届出のあった梅毒患者は、10957人となりましたが、これは届出のあった患者数だけですから実際はこれ以上の潜在患者がいると推測されています。
この増加傾向は大都市だけにとどまらず地方でも増加しています。
梅毒トレボネーマに感染して梅毒特有の症状が出れば感染に気づき受診して検査を受けますが、全く症状がない場合は感染に気づくことはありません。
無症候性梅毒は梅毒特有の症状がないことから、当人は感染に気づくことなく次々と第三者へ感染を広げていくことになります。
【無症候性梅毒はどれくらい存在しているのか】
無症候性梅毒は、梅毒検査を受けて初めて梅毒と判明しますから、梅毒検査を受けないとわかりません従ってはっきりした数は把握されていないのが現実です。
専門家の調査結果では、梅毒トレポネーマに感染して何の症状も出ない無症候性梅毒は20~30%前後存在するとの報告がなされています。
【直近の無症候性梅毒患者の実態】
2023年の患者163人について分析しました。
早期顕性Ⅰ期梅毒75(46.0%)
早期顕性Ⅱ期梅毒54人(33.1%)
無症候梅毒32人(19.6%)
晩期梅毒2人(1.2%)
2021年1年間の無症候梅毒患者は、1346人で21.8%でした。
いずれにしても梅毒トレポネーマに感染しても、梅毒特有の症状を呈さない無症候梅毒が20%以上も存在することは感染を一層広める原因となっています。
梅毒トレポネーマに感染するような行為をしてしまったときには必ず適切な時期に梅毒検査を受けることです。
※解析データのもとは国立感染症研究所の発表データを参照しています※