4.CA15-3(carbohydrate antigen15-3)
CA15-3はヒト乳脂球の膜上に存在する抗原(MAM-6)を使って作製した抗体が認識する抗原です。
血液中のCA15-3は、乳がんに対する特異性は高いが、原発乳がんよりむしろ進行性乳がんや再発乳癌がんの陽性率が高いため、再発の予知や治療効果の判定として有用な腫瘍マーカです。
そのために、乳がんのスクリーニング検査として用いられています。
さらに乳がんの再発・転移の追跡に有用とされています。
CA15-3の基準値
30U/ml以下
1.進行がんになると、基準値を超える率は10%以上となり、再発例では40%以上となります。
2.再発部位により基準値を超える率は異なり、リンパ節や骨への転移では約30%であるのに対して、肝臓などの内臓転移では75%と高率に基準値を超えます。
3.卵巣がんや肺がん、前立腺がんでも数値は上昇し、がん以外の病気では、子宮内膜症や骨盤炎症性疾患、肝炎でも高値を示します。
さらに、CA15-3は加齢と共にやや上昇傾向を示しますが、妊娠前期には低値となります。
検査値が基準値を超えた場合には、CEAなど他の腫瘍マーカーの検査をしたり、胸部X線検査、骨シンチグラム、CT検査などを組み合わせてがんの存在を確認する必要があります。