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2011年12月10日土曜日

感染症検査-2.HIV検査⑤-リアルタイムPCR検査-


⑤リアルタイムPCR検査

リアルタイムPCR検査は、コバス TaqMan HIV-1 「オート」と呼ばれる検査法です。

全自動の機械を使用して検査を行います。

リアルタイムPCR検査(コバス TaqMan HIV-1 「オート」)は、一人一人の血清を個別に検査して、血清をプールしては検査をしていません。

HIV-1の遺伝子の核酸を化学的に増幅して検査を行いますので、検査感度は極めて高く優れた検査法です。

そして、全自動で検査を行うことから、他のウイルスなどの遺伝子が混入する事が無いので、ニセの陽性反応の出現も殆どありません。

不安な行為から11日以降の何時受けても、信頼できる結果が得られます。

しかし、HIV-2は検出することはできません。

この検査は、ほとんどの医療機関が検査専門の会社に検査を依頼することから、全国どこの病院やクリニックでも受けることができます。

近いうちリアルタイムPCR検査(コバス TaqMan HIV-1 「オート」)もHIV-2の検出が出来るよう改良されるとの情報も得ていますが、発売時期は不明です。

2011年12月8日木曜日

感染症検査-2.HIV検査④第四世代の迅速(即日)抗原抗体検査法-


④第四世代の迅速(即日)抗原抗体検査法

『エスプライン HIV Ag/Ab』と呼ばれる検査キットで、サンドイッチイムノアッセイ法を用いたイムノクロマト法(IC法)です。

このキットは、HIV-1の抗原の一部であるp24を早期に検出できることと、HIV-1とHIV-2の抗体をも検出可能です。

検査を受ける時期としては、

1.不安な行為から30日でHIV-1のp24の検出が可能ですから、この時期陰性であれば、HIV-1の感染は否定できます。

※この時期検査が陰性であってもHIV-2の感染は否定できません。

2.不安な行為から12週でHIV-1とHIV-2の抗体の検出が可能ですから、この時期陰性であれば、HIV-1とHIV-2の感染は否定できます。

【参考資料】


以下を参照してください。

http://tetsujin.hiho.jp/newtisiki/newtisiki01.html 

http://tetsujin.hiho.jp/newtisiki/newtisiki02.html



2011年12月6日火曜日

感染症検査-2.HIV検査③迅速(即日)抗体検査法-


③迅速(即日)抗体検査法

ダイナスクリーン・HIV-1/HIV-2と呼ばれる検査キットで、サンドイッチイムノアッセイ法を用いたイムノクロマト法(IC法)です。

血液を滴下後、15分で判定しますが、この時必ずコントロールラインに赤色の線が出ていることを確認する必要があります。

コントロールラインに赤色の線が出ていないときは、必ず再度検査を行います。

また、判定は必ず15分で行い、この時点で判定ラインに赤色の線が認められなければ陰性と判定します。

15分経過後に判定ラインに幾ら赤色の線が見られても、これはニセの判定とします。

この検査は、不安な行為から12週で受けることにより、第三世代の抗体検査と同じ信頼性が得られます。

次に偽陽性反応の件ですが、検査の感度を高くして感染者を見逃さないように造られていることから、偽陽性反応が出やすくなっています、また判定を肉眼で行うことから判定者の主観に大きく左右され、どうしても偽陽性反応の出現率が高くなる傾向にあります。

PA法では0.5%前後ですが、迅速(即日)抗体検査では約3%の偽陽性反応が認められます。

迅速(即日)抗体検査は、短い時間で信頼性の高い結果が得られることから、クリニックや保健所では多く採用されています。

ちなみに、ダイナスクリーン・HIV-1/HIV-2は、発売当初アボットジャパン社から販売されていましたが、2007年12月1日から、アリーアメディカル株式会社から販売されています。

現在日本で医療機関及び保健所で採用されている迅速(即日)抗体検査法は、ダイナスクリーン・HIV-1/HIV-2しか存在しません(抗原抗体迅速抗体検査を除く)。

2011年12月4日日曜日

感染症検査-2.HIV検査②第四世代抗原抗体検査法-


②第四世代抗原抗体検査法

HIV-1のコア蛋白質であるP24抗原を検出するのが第四世代検査薬で、HIV抗原抗体検査と呼ばれます。

HIVが生体に侵入すると、HIV-1のコア抗原p24の量はHIVのRNAレベルの上昇にともなって増加し、かつ急性感染期にはすぐに血液中に出現することから、血液中のp24抗原の検査はウインドウ期を短縮することができ、HIV-1の早期診断に役立ち、臨床面におけるすぐれた検査法です。

p24が血液中から消失してしまうと、p24を検出できなくなりますが、その後出来てくるHIV抗体を検出可能となります。

第四世代抗原抗体検査法は、日本国内ではそりぞれ特徴のある製品が数社から販売されて使用されていますが、いずれのメーカ製も、感度と特異性には大差はありません。
 
検査を受ける時期

1.不安な行為から30日:HIV-1の感染の判断ができる。

※この時期検査を受けてもHIV-2の感染の判断はできません。

2.不安な行為から12週:HIV-1とHIV-2の感染の判断ができる。

2011年12月現在では、大手病院のおよそ80%が第四世代抗原抗体検査法を採用していますし、検査専門の検査会社では全て第四世代抗原抗体検査法に変更されています。

ただし、保健所ではまだまだ採用されているところは少ないのが現状です。