ここ数年来の梅毒大流行についてシリーズで解説していきますのでお付き合いください。
2022年11月6日までに日本国内の場毒患者は際に10000人を超えて、10744人となりました。
10ケ月で10000人を超えるのは予想された以上にハイペースの流行が起きていることです。
2022年第2四半期の報告では、男性患者の39%に性風俗利用歴が、女性患者の40%に性風俗従事歴があった。
患者の年齢層をみると、男性は20~50代まで満遍なく増加しているのに対し、女性は20~24歳が突出して多いことから推測すると性風俗が感染経路になっているのは否定できないようです。
若い女性の梅毒感染は先天性梅毒のリスク増につながる危険性が高くなります。
しかし現在では妊娠以前、あるいは妊娠後でも、持続性ペニシリン製剤のベンジルペニシリンベンザチン水和物で適切に治療をすれば先天性梅毒を防ぐことは可能です。
梅毒治療に抗生物質の服用は1日3~4回を数週間飲み続ける必要がありその間に勝手に服用をやめたり飲み忘れたりして治療が不成功に終わってしまう人も見られるのが現実でした。
2022年1月から使用可能となった持続性ペニシリン製剤のベンジルペニシリンベンザチン水和物は、効果が1週間以上続くため、早期なら1回の筋肉注射で、感染が心血管や神経まで拡がった後期でも、週1回、合計3回の注射で治療が終了する。
更に妊娠中の梅毒患者への適切な投与で、先天性梅毒を予防できるという結果が得られています。