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2014年9月20日土曜日

デング熱-3.デング熱と鑑別が難しいチクングニア熱とは-

2014年9月19日時点での日本国内でのデング熱患者は、17都道府県で141人となりました。

現時点で重症の人がいないのが幸いです。

今回は、デング熱と非常によく似たチクングニア熱について解説しておきます。

【チクングニア熱とは】

チクングニア熱(Chikungunya fever:CHIKV)は、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどにより媒介されるウイルス性の伝染病で、デング熱やウエストナイル熱と症状が非常によく似ています。

チクングニアの名前は、スワヒリ語の「折り曲げる(that which bends up)」に由来しています。

【ウイルス】

チクングニアウイルス(CHIKV)はトガウイルス科アルファウイルス属に属する節足動物媒介性ウイルスです。

【潜伏期間】

感染から発病まで(潜伏期)は2~12日と言われていますが、一般的に気2~7日です。

感染しても発症しない(不顕性感染)場合もありますが、その頻度は不明です。

【臨床症状】

ウイルスを保有する蚊に刺されてから2日から長くても2週間程度の潜伏期間の後に、40℃に達する高熱と斑状丘疹が出来、関節が激しく痛む、頭痛や結膜炎、羞明(眩しがること)などを引き起こします。

発熱は2日ほど続き急に収まりますが、その後関節痛、頭痛、不眠、全身疲労などは5日から7日ほど継続します。。

小児とくに新生児では嘔吐、下痢、脳髄膜炎などを生じる場合がありますが、予後は一般的に良好です。

 CHIKVの感染は、消耗性疾患(debilitating illness)ですが、非致死性で、最も頻繁に見られる症状は発熱、関節痛、発疹、頭痛、全身倦怠、嘔気、嘔吐、筋肉痛、リンパ節腫脹です。

【デング熱との鑑別は】

症状がデング熱と類似しており、症状からの鑑別は難しく確定診断にはRT-PCR、ウイルスの分離、血清検査などの検査が必要となります。

【治療法】

特異療法は存在しないため、発熱に対する通常の対症療法を行うだけとなります。

ステロイドやアスピリンは副作用の恐れがあり使用は控えるべきです。


病気からの回復は年齢によって異なる。若い患者が5-15日で回復するのに対し、中年では1-2.5月を要し、年を取るほど時間がかかる。また病気の程度も若いほうが軽い。

妊婦に対して悪影響はありません。

致死率は0.1%と極めて低い。

【予防法】

デング熱やウエストナイル熱と同様で蚊に刺されないことです。

デング熱と同様にワクチンも、予防薬もありません。