淋病は淋菌によって引き起こされる性行為感染症のひとつです。
淋病の症状
男 性
尿道内に感染して増殖し、尿道炎症状を引き起こします。
典型的な症状としては、感染後2~7日後に、灼熱感を伴う排尿痛があり、尿道口より膿が出ます。
しかし、排尿痛のみや尿道から少の膿しか出なかったり、全く症状の出ない場合もあります。
女 性
尿道に感染することは殆ど無く、膣から子宮頚管におよび子宮頚管炎を引き起こします。
症状としては、オリモノの増加、膿の混ざった悪臭のあるオリモノなどですが男性に比べ症状が少なく感染に気づく人は少ないのが実情です。
80%以上が無症状です。
感染に気づくことなく放置していますと、子宮頚管から上行性に子宮、卵管を経由して腹腔内へ感染が進みます。
淋菌の感染率は、1回の性行為で低くて30%高い場合は80%です。
検査法
男性の場合は尿や性器からの分泌物(膿)を採取し、女性の場合には膣の分泌物を採取し検査します。
1.顕微鏡検査
検査物をグラム染色して、顕微鏡で淋菌の有無を検査。
非常に簡単な検査ですが、検査物に淋菌が少ない場合には、感染していても陰性となってしまう欠点があります。
2.淋菌培養検査
検査物から淋菌を採取して培養し、増殖させて光学顕微鏡で調べる。
淋菌の生命力が非常に弱いことから、検査物採取から時間が経過しますと、淋菌が死滅して感染していても陰性となることから、この検査法はあまり利用されていません。
3.核酸増幅検査法
1)PCR(Polymer Chain Reaction)法
淋菌のDNAを化学的に増幅させて検査する方法です。
非常に感度がよく優れた検査法です。
2)SDA(Strand Displacement Amplification)法
PCR法とは検査の原理が異なりますが、核酸増幅検査のひとつです。
この検査方法は、クラミジア感染症と淋菌感染症の同時検査ができることと、検査の感度、精度もPCR法と同等かそれ以上ある優れた検査法です。
3)TMA(Transcription Mediated Amplification)法
SDA法同様、クラミジア感染症と淋菌感染症が同時に検査出来ます。