PSA検査(前立腺特異抗原検査)には、次のような問題点があります。
1.過剰診断や過剰治療のリスクがある
2.前立腺がんの確定診断には、前立腺生検などの精密検査が必要で、身体に負担がかかる
3.前立腺がんがないのに陽性を示す偽陽性の可能性がある
4.検診では発見できないがんが存在する
【PSA検査の基準値】
・4ng/mL以下が正常範囲
・4.1~10ng/mLがグレーゾーン
・4.1~10ng/mL以上だと前立腺がんの確率が高くなります。
【PSA値が高くなる原因】
前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺の炎症などが考えられます。
また、前立腺以外の病気によっても高くなる。
【PSA検査を受ける意義】
・PSA検査を受けることで、前立腺がんによる死亡率が低下することを示す研究結果もあれば、死亡率減少効果に関する科学的証拠がないとする研究結果もあります。
・PSA検査を受けることで、臨床的に重要ではないがんが発見され、過剰な治療を受けることによる不利益が存在することも無視できません。
【PSA検査を検診で受けることを何故推奨されないのですか?】
最近、厚労省の研究班がPSA検診は推奨しないと公表していますが、これは「死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診(住民検診)として実施することは勧められないということにほかなりません。
【重要なこと】
1.PSA検査は、前立腺がんの可能性を調べる検査であって、前立腺がんの確定診断を下す検査ではありません。
2.PSA検査は、前立腺がん以外の病気でも高い値を示すことがあるため、高値になったとしても必ずしも前立腺がんとは限りません。
3.前立腺肥大症、尿閉、前立腺炎などの前立腺以外の病気によっても高くなることから、PSA検査があてにならないと考えられています。
4.前立腺への刺激を与えるような行為、たとえば射精や長期間の車の運転、前立腺マッサージなどでも高くなります。
※PSA検査の値が高くても正確な診断をするには、前立腺の組織を取って調べるか、直腸内検診、あるいはCT検査が必要となります※