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2023年5月28日日曜日

梅毒アラカルト-2.梅毒トレポネーマはコンドームで予防できるのか??-

 2023年5月14日までの患者数は、5164人に上る。昨年の同期の3630人を軽く上回りました。


未だ大流行は収まる気配はありません。


感染対策を怠らず感染にはくれぐれも気をつけてください。


【梅毒トレポネーマはコンドームで本当に感染予防できるのか?】


厚生労働省はリーフレットなどで「コンドームの適切な使用によりリスクを減らすことができる」と啓発を進めていますが、これに専門の医師から疑問の声が寄せられています。


特に女性感染者の増加が顕著だったため、厚労省は「女子の梅毒増加中!」とアピールしたリーフレットを作成し、そこで「コンドームの適切な使用によりリスク を減らすことができます」と強調していますが、梅毒トレポネーマはコンドームでは完全に予防できません!!


【何故梅毒トレポネーマはコンドームで完全に予防できないのか?】


ペニスに梅毒トレポネーマが感染してそこに病変があれば確かに感染予防可能ですが、 コンドームで覆われない箇所に病変があればコンドームは感染予防には何の役にも立ちません。


確かに性器クラミジア感染症・淋菌感染症・HIV/AIDSは、適切な使用で病原体と侵入経路の間に確実にコンドームが防御壁となるため感染リスクは極めて低くなります。


しかしながら梅毒・性器ヘルペス・ヒトパピローマウイルス感染症は、病原体が潜む箇所がコンドームを装着できるところにあるとは限りませんし、 これらの感染症はコンドームを装着しないところに病変ができることも多いことからコンドームが感染防御に役立つ確立は低くなります。


※※梅毒トレポネーマはコンドームで完全に感染予防はできないことをよく認識しておく必要があります※※


※※しかしコンドームが感染予防に全く役に立たないわけではなく、ある程度感染リスクを低くすることは間違いありませんので、使用しないより使用するほうが良いということになります※※


※※最も大切なことはコンドームの使用によって梅毒トレポネーマの感染予防が100%出来ると勘違いしないことです※※


梅毒トレポネーマはオーラルセックスでも簡単に感染することをお忘れなく!!!


※※特に梅毒トレポネーマはオーラルセックスでもいとも簡単に感染してしまいます※※


※※よく性行為をしなければ梅毒トレポネーマに感染しないと勘違いされている人を見かけますが、これは大きな間違いです※※


※※キスやオーラルセックスで、喉・唇・性器・肛門に感染した事例は多く報告されています※※


2023年5月21日日曜日

梅毒アラカルト-1.梅毒の由来-

 現在世界的に梅毒が流行していて、特に我が国においてはここ数年来大流行していて、未だに収まる気配はありません。


そこで今回から数回に分けて梅毒について、分かりやすく尚且つ興味ある話をさせていただきますのでお付き合い下さい。


梅毒はクリストファー・コロンブス(1451~1506)が新大陸から持ち帰ったとされています。


京都の医師武田秀慶(?~1528)が1512年(永正9年)に著した『月海雑録』に外国から来た皮膚病という意味で「唐瘡(とうそう)」と書かれたのが最初とされています。


海外から新しく伝来したため、「瘡(かさ)」「楊梅瘡(ようばいそう)」、「黴瘡(ばいそう)」「ひえ」、「しつ」などと


結城秀康(1574~1607)・黒田官兵衛(1546~1604)・加藤清正(1562~1611)・間宮林蔵(1775~1844)なども梅毒とされています。


特に結城秀康は、梅毒で鼻がそげ、木製の鼻をつけていたそうです。


江戸時代の名医杉田玄白(1733~1817)も、1000人の患者を診るとその7~8割が梅毒患者と記しています。


昔の梅毒は鼻部の軟骨炎のために鞍鼻(あんび)や鼻の欠損になることがあり、夜鷹などには「鼻欠け」が多かったので、「鷹の名にお花お千代はきついこと」などと川柳に詠われています


“お花お千代”は“お鼻落ちよ”にかかっている。


江戸時代の梅毒の治療薬としては、山帰来(サンキライ)[別名:土茯苓(ドブクリョウ)]が広く用いられていましたが当然のことながら効き目はありませんでした。


江戸時代の医書に『梅毒の重症患者は山に捨てられる風習があったが、土茯苓を服用すると治癒し、山から帰って来たので"山帰来"とも名付ける』と記載されています。


当時山帰来は日本には自生しておらず、中国や朝鮮から輸入していました。


山帰来は貴重なものでしたから、山帰来に似たケナシサルトリイバラと呼ばれるユリ科の植物を代用していました。







2023年5月14日日曜日

サル痘についての再認識-6.サル痘の現状と今後-

 2023年5月11日世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「サル痘(エムポックス)」について、感染者の減少が続いているとして、2022年に宣言した「緊急事態」の終了を発表しました。


テドロス事務局長は記者会見で"エムポックスは引き続き公衆衛生上の大きな課題で、忍耐強い対策が必要だ」"と述べ、警戒を怠らないよう訴えています。


アフリカの一部地域で発生していたサル痘は、2022年5月ごろから欧米などに感染が拡大し、日本では2022年7月に感染者が初確認されています。


世界保健機関によると、2022年8月には1週間当たりの世界の新規感染者が7500人を超えましたが、ここ数カ月は100人前後で推移しています。


日本においても世界保健機関の「緊急事態」の終了を受けて2023年5月12日外務省は、全世界を対象に出していた渡航や滞在に十分な注意を促す「感染症危険情報」(レベル1)を同日付で全て解除すると発表しました。


※レベル1の危険度は、4段階のうち最も低いレベル※


世界的にみると感染者数は減っていますが、日本では2023年に入ってから患者の報告が増えています。


2023年5月2日時点で129人の感染が確認されています。


国立感染症研究所は、これまで報告された感染者のうち、100人は発症前21日間に性的接触があったことが確認されていることから「国内でも男性同士の性的接触による感染伝播が起こっている可能性が示唆される」としています。


日本ではことし2023年以降に感染者が増え3月にピークを迎えた後、少し感染者は減り、いまは横ばいの状況が続いています。


海外と比べてなぜ、遅れて感染が広がったのかは明確になっていませんが、人と人との接触が何らかの理由で増えたのではないかと推察されますので、日本では今後も感染者が増えていく可能性もあり、海外の専門家やメディアなども日本の感染状況を注視しています。


各人がサル痘に対する正しい知識を持ち、正しく感染予防を行う必要が当分はあるようです。

2023年5月7日日曜日

サル痘についての再認識-5.サル痘の感染予防対策-

サル痘とは、病原菌である痘瘡ウイルスによって引き起こされる感染症です。


ここでは、サル痘の感染対策について詳しく解説します。


1. ワクチン接種


サル痘の感染を防ぐためには、ワクチン接種が最も効果的な対策です。


現在、サル痘のワクチンは、病原体を弱体化させたものや蛋白質の一部を人工的に合成したものが用いられています。


ワクチン接種は、感染予防だけでなく、発病した場合の症状緩和にも効果があります。


サル痘のワクチン接種には、一般的に2回の接種が必要で、初回接種後、通常は2週間から4週間程度の期間をおいて、2回目の接種が行われます。


初回接種で免疫が十分に発現していないため、2回目の接種によって免疫力を高めることが目的となりますが、接種間隔はワクチンの種類や対象となる人の免疫状態によって異なる場合がありますので、医師の指示に従うことが重要です。


また、サル痘ワクチンは、一般的には感染予防だけでなく、発病した場合の症状緩和にも効果がありますが、接種後に即座に効果が現れるわけではありません。


当然のことですがワクチン接種後、免疫力が高まるまでには時間がかかります。


一般的には、2回目の接種後1週間から2週間程度を経過すると、免疫力が十分に高まり、感染に対する防御力が向上するとされています。


なお、サル痘ワクチンの接種については、各国の保健衛生局や医療機関の指示に従うことが重要です。


2022年8月2日の薬事承認内容の改定にて、天然痘の予防に加えて、サル痘の予防に使用することなどが承認されました。


【参考資料】


乾燥細胞培養痘そうワクチンの効能追加承認について


2. 衛生管理


感染症の予防には、衛生管理が欠かせません。


特に、サル痘は接触感染が主な感染経路となるため、手洗いやアルコール消毒などの適切な衛生管理が必要です。


また、感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、感染源を特定して適切な治療を行うことが大切です。


3. 感染源の管理


サル痘の感染源となる動物(主にサル)との接触を避けることも、感染対策の一つです。


特に、野生動物との接触は感染症リスクが高いため、野生動物に近づかないことが必要です。


また、動物園や展示施設などでの動物との接触も、感染症リスクを考慮して行われることが多くあります。


4. 感染者の隔離


感染者の隔離も、感染対策の一つで、感染者がいる場合は、その人を隔離して感染が広がらないようにすることが必要です。


更に感染者と接触した人には、適切な検査や処置を行うことが必要です。


以上のように、サル痘の感染対策には、ワクチン接種や衛生管理、感染源の管理、感染者の隔離などが必要です。感染リスクが高い場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。