「痛いのが嫌で受けてない…」痛くない乳がん検診(DWIBS)って効果あるの?
乳がん検診のウソ・ホント
こんにちは!みなさんは乳がん検診、受けていますか?
毎年10月は乳がんの早期発見を啓発する「ピンクリボン月間」で近年、40〜69歳女性の受診率は初めて50%を超えましたが、国の目標値である60%にはまだ届いていません。
受けていない理由としてよく聞くのが、「マンモグラフィー(マンモ)の痛みが怖いから」という声。
最近、SNSやクリニックの広告で「痛くない乳がん検診」「うつぶせになるだけのMRI検診(DWIBS:ドゥイブス、Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal:ディフュージョン・ウェリテッド・ホール・ボディ・イメージング・ウィズ・バックグラウンド・ボディー・シグナル)」という言葉を目にすることが増えましたよね。
今回は、この「痛くない検診」の医学的・疫学的なホントのところを解説します!
1.「痛くないMRI(DWIBS)」は何がすごいの?
DWIBS(ドゥイブス)検査は、胸の部分がくりぬかれた専用ベッドにうつぶせで横たわり、MRIで撮影する検査です。
高性能なMRI装置を使って、頭部から骨盤までほぼ全身の悪性腫瘍(がん)や転移を一度に調べるスクリーニング検査法で2004年に日本人医師高原太郎博士(1961~)によって開発されました。
◎メリット
1)痛みが一切ない(乳房をサンドイッチのように挟んで圧迫しない)
2)放射線被ばくがない(X線ではなく磁気を使うため)
3)高濃度乳房でもがんが見えやすい
「えっ、じゃあ全部これにすればいいんじゃないの?」と思いますよね。
ですが、対策型検診(自治体などの公的検診)でマンモグラフィーが推奨されているのには、疫学的な深い理由があります。
2.なぜ国は「マンモグラフィー」を強く推すのか?
医療において「良い検診」とは、単に「がんを見つける」ことだけではありません。
「その検診を行うことで、将来その病気で亡くなる人(死亡率)を減らせるか?」という疫学的な証明が必要です。
現時点で、世界中で膨大なデータが集まり、「死亡率を下げる効果(乳がん死の減少)」が科学的に証明されている検査は、実はマンモグラフィーだけなのです。
DWIBS(MRI検診)はがんを発見する能力は高いものの、「受けた人たちの死亡率が下がったか」という長期的な検証(臨床試験)がまだ不十分なため、現段階では「任意検診(全額自己負担のドックなど)」としての位置づけであり、国が推奨する標準的な検診にはなっていません。
3.マンモグラフィーの痛みを和らげるプチ裏ワザ
とは言え、痛いのは嫌ですよね!マンモの痛みを減らすコツは「受けるタイミング」です。
💡 痛みを軽減するポイント
女性ホルモンの影響で張りが強くなる**「月経前の1週間」および「月経中」を避けて受診する**こと!月経が終わって1週間後くらいの、胸が一番柔らかい時期に予約するのがおすすめです。
次回は、日本人にとても多い「高濃度乳房(デンスブレスト)」と、今年話題になった「エコー(超音波)検査の併用問題」について分かりやすく紐解きます!
【追加の話】
• 生涯罹患リスク: 日本人女性の約9人に1人(約10.6%~11.8%)が生涯で乳がんにかかるとされています。
• 年間罹患数: 年間に新たに乳がんと診断される女性は約91000人~94000人ほどで、長年増加傾向が続いています。
・年間死亡数: 乳がんで亡くなる女性は年間に約15000人~16000人程度です。
• 年齢層のピーク: 30代後半から増え始め、40代後半〜60代後半にかけて大きなピークを迎えます。
・男性にはある乳がん(このことはこのシリーズ最後に紹介します)
【参考資料】








