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2026年9月9日水曜日

大腸がんは「防げる」!第6回:進行大腸がんでも「約20%」は便潜血で陰性?

 


はじめに:「毎年陰性だから安心」に潜む落とし穴


健康診断や人間ドックの定番メニューである「便潜血検査」。


「毎年『陰性(異常なし)』だから自分は大丈夫!」と、すっかり安心していませんか?


実はここに、専門医や臨床検査の現場が最も危惧する「見落としの罠」が隠されています。


大腸がんは初期の自覚症状がほとんどない上に、便潜血検査だけではどうしてもすり抜けてしまうケースがあるのです。


今回は、意外と知られていない便潜血検査の「実力と限界」、そして来年度(2027年度)から予定されている大腸がん検診の大改定について、医学的・疫学的な視点から分かりやすく解説します。


1. 疫学データが示す限界:進行がんの20%、早期がんの50%が「陰性」になる現実


便潜血検査は、便に混じった目に見えない微量な血液(ヘモグロビン)を検出する非常に優れたスクリーニング検査で、体への負担がなく職域や地域検診で広く普及したことで、日本の大腸がん死亡率を低下させてきた確かな実績があります。


しかし、検査医学において「感度(病気がある人を正しく陽性と判定できる確率)が100%の検査」は存在しません。


【疫学データが示す衝撃の事実】


◎進行大腸がん(すでにがんが深く進行している状態)であっても、**約20%(5人に1人)は「陰性」**と判定されてしまう。


◎早期大腸がん(粘膜層にとどまる段階)にいたっては、**約50%(2人に1人)が「陰性」**で見落とされる。


「陰性=大腸がんがない」という意味では決してない、という厳格な事実をまずは知っておく必要があります。


2. 【2027年度大改定】検診が「1日法」へ移行する背景と、検査医学的な懸念


現在の大腸がん検診は、異なる日の便を2日分採取する「2日法」が主流でが、これはがんからの出血が「毎日持続するとは限らない」ため、回数を増やして検出率を上げるという合理的な理由に基づいています。


しかし厚生労働省の指針により、2027年度から大腸がん検診は原則「1日法(1回だけの採便)」へ変更される見込みとなっています。


◎なぜ「1日法」へ変更されるのか?(疫学的メリット)


1)統計学的な差のなさ:大規模な疫学調査において、1日法と2日法を比較した際、集団全体での「がんの発見頻度」に決定的な統計学的差が見られなかったため。


2)受診率(提出率)の向上期待:2回採便する手間にハードルを感じていた層が、1回で済むようになることで、検診全体の受診率を底上げできるという公衆衛生上の狙い。


◎臨床検査医学としての「懸念点」


一方で、個人の診断レベルで見ると大きな懸念が残ります。


従来の2日法では、「1回目は陰性だったが、2回目の検体で陽性となり、精密検査でがんが見つかった」というケースが多々ありましたが、1日法への移行により、チャンスが1回きりになるため、個人の「がん見落としリスク(偽陰性率の上昇)」が高まることは否定できません。


これまで以上に、「陰性」という結果を過信しない姿勢が求められます。


3. なぜ見落とされる? がんの「形(肉眼型)」で異なる出血のリアル


大腸がんやポリープがあっても便潜血が陰性になってしまう理由は、がんの「形(肉眼型分類)」にあります。


がんはすべて同じ形をしているわけではなく、その形状によって出血のしやすさが劇的に異なります。


・隆起型(りゅうきがた):キノコのように粘膜から大きく盛り上がるタイプ。便が通り抜ける際に擦れやすいため、比較的早い段階から出血し、陽性に出やすい特徴があります。


・平坦型(へいたんがた)・陥凹型(かんおうがた):粘膜にへばりつくように横に広がる(平坦型)、あるいは奥へもぐり込むように凹んでいる(陥凹型)タイプ。これらはある程度大きく、あるいは深く進行するまで便と擦れず、非常に陽性になりにくい(=陰性になりやすい)性質を持って特に陥凹型は進行が速いため、検査をすり抜けるタチの悪い「隠れがん」になりやすいのです。


また、小さなポリープや早期の病変は常にダラダラと出血しているわけではありません。


たまたま「出血していない日」に採便すれば、結果は当然「陰性」になります。


4. 「陽性」は病気の確定ではない!「痔のせい」と自己判断してはいけない理由


もし健康診断で「陽性(1日でも要精密検査)」と出た場合、どう受け止めるべきでしょうか。


◎「陽性」=「大腸がんが確定した」という意味ではありません。


正しくは、**「大腸のどこかで出血が起きているサインであり、精密検査を受けるべき強力な切符を手に入れた」**状態です。


陽性判定が出た人のうち、実際に大腸がんが見つかる確率は数パーセント程度で多くは痔(じ)や、硬い便による肛門の切れ、女性であれば経血の混入などが原因です。


しかし、ここで最も危険なのは「私は昔から痔持ちだから、この血は痔のせいに違いない」と自己判断して精密検査(大腸カメラ)を拒絶することです。


「痔」と「大腸がん」が体の中で同時に存在している可能性は十分にあります。


せっかく検査が教えてくれた貴重なサインを、思い込みで握りつぶしてはいけません。


5. 早期発見の切り札「大腸カメラ」:40歳を過ぎたら一度は受けるべき理由


便潜血検査はあくまで「可能性」をあぶり出す網に過ぎません。


大腸の内部を直接目で見て、確実な診断と治療(ポリープ切除)を同時に行える唯一無二の存在が「大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)」です。


大腸がんは年齢とともに発症リスクが右肩上がりに上昇するため、医学的には「40歳を過ぎたら、症状がなくても一度は大腸カメラを受けること」が強く推奨されています(家族歴がある場合は35歳からの受診も考慮されます)。


◎特に大腸カメラを受けるべき「リスク・要注意層」


便潜血が陽性だった方はもちろんですが、例え「陰性」であっても以下の項目に該当する方は、一度消化器内科に相談し、大腸カメラを検討してください。


・危険なサイン(自覚症状)がある:血便、原因不明の便秘や下痢、腹痛、急激な体重減少


・家族歴がある:血縁者に大腸がんになった人がいる


・過去の指摘:過去に大腸ポリープを指摘されたことがある


・生活習慣のリスク因子:


肥満、運動不足


日常的な飲酒、喫煙


赤肉(牛・豚などの赤身肉)中心の食生活


加工肉(ハム・ベーコン)や超加工食品(インスタント食品、菓子パン等)の多量摂取


まとめ:将来の「自由」を守るために、賢い選択を


大腸がんは、早期に発見して内視鏡で切除できれば、「完全に治せる確率が非常に高いがん」ですから早期発見できれば、開腹手術のような肉体的負担、長期入院による経済的・精神的ショックを最小限に抑えることができます。


長年「陰性」が続いていた人が、ある年突然「陽性」になり、慌てて大腸カメラを受けたらすでに進行がんだった――というケースは臨床の現場で珍しくありません。


それは今年突然がんができたのではなく、「平坦な形のがんが、過去数年間の便潜血検査をずっとすり抜けていた」可能性を示唆しています。


「まだ痛くないから」「毎年陰性だから」と言い訳をせず、40歳を超えたら定期的に大腸の“中身”を直接チェックする。


これこそが、5年後、10年後も大切な家族と共に美味しいものを食べ、自分の足で歩き続けるための、最高の健康投資なのです。


【参考資料】

『便潜血検査で「1回だけ陽性」と言われました。内視鏡検査は受けたほうがいいのでしょうか?』

『大腸がん検診の便潜血検査、採便2回から1回に変更へ』

『大腸内視鏡検査ってどんな検査ですか?』

2026年9月8日火曜日

知ってて損はない話医学の知識36.「もしかして、臭っているのでは…?」その苦しみの正体:最新医学が捉える『嗅覚関連づけ障害(自己臭関係付け症)』の全貌

 


「自分の体臭や口臭が周囲に不快感を与えているのではないか」という強い苦痛と囚われが生じる自己臭関係付け症(嗅覚関連づけ障害:Olfactory Reference Disorder: ORD、オルファクトリー・レファレンス・ディスオーダー)について、近年の医学的分類や最新の知見を交えて分かりやすく整理しました。


※自己臭関係付け症(自己臭恐怖症・自臭症)の正確な全国患者数は公表されておらず、一般成人における有病率は約1~2%程度(10代〜20代の若い時期に発症し、女性にやや多い傾向が見られます)と推測されています※


「電車の中で隣の人が鼻を触ったのは、自分の体臭のせいだ」「周囲が自分の口臭を避けているに違いない」——。


このように、実際にはごく軽微であるか、あるいは全く存在しない体臭・口臭が「周囲に悪臭を放っている」と強く信じ込み、日常生活に深刻な支障をきたす状態を、医学的に嗅覚関連づけ障害(自己臭関係付け症:ORD)と呼びます。


かつては単なる「思い込み」や「気分の問題」として見過ごされがちでしたが、近年の精神医学では独立した疾患概念として厳格な位置づけがなされています。


1. 医学的・科学的な位置づけの変遷

長年、この症状は統合失調症の一部や妄想性障害、あるいは単なる強迫性障害(OCD)の亜型として扱われてきましたが、国際的な診断基準である世界保健機関(WHO)のICD-11において、ついに「強迫症または関連症群(Obsessive-Compulsive and Related Disorders:オブセッシブ・コンパルシブ・アンド・リレイテッド・ディスオーダーズ)」のカテゴリーに正式に独立した診断名(コード:6B22)として収載されました。


また、米国精神医学会のDSM-5-TRにおいても、「その他の指定される強迫症および関連症群」の中に位置づけられています。


これは、本疾患の本質が「妄想」というよりも、「特定の観念にとりつかれ、それを打ち消すための確認やこだわり(強迫行動)がやめられない」という、強迫スペクトラムに近い特徴を持っているためです。


2. 主な臨床的特徴と「悪循環」


嗅覚関連づけ障害に悩む方には、以下のような共通した心理・行動パターンが見られます。 


◎関係念慮(かんけいねんりょ)の強さ


・他人が咳をしたり、窓を開けたり、鼻をこすったりする何気ない仕草のすべてを「自分の臭いのせいに違いない」と結びつけて確信してしまいます。


◎過剰な確認とカモフラージュ(強迫行動)  


・自分の匂いを確かめるために何度も匂いを嗅ぐ、1日に何度も入浴や着替えをする、あるいは大量の香水、マウスウォッシュ、消臭剤で匂いを覆い隠そうとします。


◎社会的な引きこもりと孤立


・「他人に迷惑をかけている」「恥ずかしい」という強烈な苦羞感から、学校や職場を休みがちになり、最悪の場合は完全な引きこもり状態に陥ることがあります。


3. なぜこのような症状が起きるのか?(病態の背景)


本人が「実際に自分の鼻で臭いを感じている」と主張することが多いため、周囲には理解されにくいのが特徴で科学的な背景としては、脳内におけるセロトニンなどの神経伝達物質のバランス異常や、自身の身体感覚・嗅覚情報を処理する脳のネットワークの機能不全が関与していると考えられています。


また、日本の文化圏で見られる「対人恐怖症(特に自分の身体特徴が他人を不快にさせているのではないかと恐れるタイプ)」とも密接に関連していることが知られています。


4. 現代における治療アプローチ


以前は治療が難しいとされていましたが、現在は明確な治療法が確立されています。


◎薬物療法  


・脳内のセロトニン環境を整えるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やクロミプラミンなどの抗うつ薬が中心となります。症状の囚われを和らげるために、非定型抗精神病薬が補助的に使われることもあります。


◎認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT、コグニティブ・ビヘイビアラル・セラピー)


・「臭っているかもしれない」という思考(認知)にとらわれた際、それに伴う確認行動を少しずつ手放していくトレーニングや、社会的な状況への暴露療法が行われます。


本人は「気の持ちよう」でコントロールできる範疇を超えて苦しんで居ることが多いため、消化器科や皮膚科、歯科などを何軒も受診して「異常なし」と言われ続けているケースが少なくありませので適切な精神科や心療内科への早期の橋渡しが何よりも重要です。  


【参考資料・文献】


MSDマニュアル(プロフェッショナル版 / 一般利用者向け): 「嗅覚関連づけ障害(Olfactory reference disorder)」

『自己臭症(自己臭恐怖症 / 嗅覚参考障害) Olfactory reference disorder(疾患理解・診察準備)プロンプト』


2026年9月7日月曜日

【緊急警告】2026年9月7日号:1999年以来の異常事態!インフルエンザが「異例の夏流行」—今すぐ備えるべきワクチンの真実

 


通常のシーズンであれば、秋が深まり冬の足音が聞こえ始める頃に話題になるインフルエンザ。しかし、今シーズン(2026-2027年)の動向は、医療現場に大きな衝撃を与えています。


厚生労働省の発表によると、全国のインフルエンザ流行入りは8月下旬。これは、感染症法が施行された1999年以降で史上2番目に早い、異例のスピードでの幕開けとなりました。


この「異例の夏〜秋の早期流行」という疫学的背景と、本格化するワクチン戦線について詳しく解説します。


1. なぜここまで早いのか? 1999年以来「第2位」のスピード流行


例年であれば、本格的な流行は12月頃から始まりますが、それが夏真っ盛りの時期に定点当たり報告数が基準を超えた背景には、人の移動の活発化や、夏場の免疫環境の変化、ウイルスのサーベイランス(動向監視)の感度など、複数の要因が絡み合っていると考えられます。


季節外れの流行という言葉で油断してはなりません。ウイルスは季節を選ばず、免疫の隙を突いて拡大する準備を整えているのです。


2. 動き出したワクチン供給網:KMバイオロジクスからの出荷開始


こうした急速な感染拡大の兆候を受け、国内最大の供給体制の一つである熊本県大津町のKMバイオロジクス配送センターでは、早くも9月5日未明から全国の医療機関に向けてインフルエンザワクチンの出荷がスタートしました。


厚生労働省が示す今シーズンの総供給量は約5,190万回分。国内メーカーおよび輸入により、来月(10月)までに順次市場へ供給される見込みとなっています。


3. 臨床現場からの警鐘:流行本格化前の「先手必勝」対策


ワクチンは、接種してから抗体が体内で十分に作られるまでに約2〜4週間かかることからして、「流行してから打つ」のでは遅すぎるのです。


◎早めのスケジュール調整: ワクチン供給が本格化する10月上旬から中旬にかけて、計画的な接種を心がけましょう。


◎ハイリスク者への配慮: 高齢者や基礎疾患(腎疾患や糖尿病など)を持つ方、そしてその周囲にいる家族にとって、早期の免疫獲得は重症化を防ぐ唯一にして最大の防衛策です。


「まだ暑いから大丈夫」というこれまでの常識は、今シーズンに限っては通用しません。


異例の早さで進む波に飲み込まれる前に、今から「手洗い・換気・早期ワクチン接種」の防衛体制を整えていきましょう。


【参考資料】

『令和8年第35週(令和8年8月24日から令和8年8月30日まで)分のインフルエンザの発生状況』



2026年9月6日日曜日

大腸がんは「防げる」!第5回:検査の入り口はどこでもいい。一番の敵は「放置」

 


大腸がんの最大の敵は「放置」です。


放置すると、腫瘍が大腸を塞ぐ[腸閉塞]や、肝臓や肺への[転移]を引き起こし命に関わります。


大腸がんはポリープから10年以上かけてゆっくり進行するため、[便潜血検査]などの検診を受け、症状がないうちに早期発見することが極めて重要です。



大腸CTを受けて「ここにポリープがありますよ」と3D画像で説明を受けると、93.5%もの方が納得して、その後、内視鏡での切除治療に進みます。


自分の目で見て理解すれば、不安は「解決への意欲」に変わるのです。


最後にお伝えしたいのは、「大腸がんは、あなた自身がコントロールできる」ということです。


放置すれば人生を脅かす脅威となりますが、5年に一度の精密検査という習慣さえあれば、それは怖れるに足りない病気です。


今日、この記事を読んだのが「きっかけ」です。ぜひお住まいの地域名で「大腸CT検査」と検索してください。


あなたの未来を守るために、一番楽な方法で、今すぐ一歩を踏み出しましょう。


【参考資料】


『大腸がんの基礎知識〜症状と治療〜』

2026年9月5日土曜日

【緊急告知】2026年9月5日号:8月に異例の全国流行入り!夏のインフルエンザに厳重警戒が必要な理由と対策

 


厳しい残暑が続く8月に、早くもインフルエンザが全国的な「流行シーズン」に突入しました。


厚生労働省が8月28日に発表したデータによると、異例の早いペースで感染が広がっており、今後の動向に大きな警戒が呼びかけられています。


1. 異例の早さ!8月の全国流行入りと感染状況


◎厚生労働省が8月28日に発表した17日〜23日の1週間の感染報告数は、1医療機関当たり1.11人となり、流行開始の目安である「1」を超えました。


◎2023年を除くと、感染症法が施行された1999年以降で2番目に早いシーズン入りとなります。


◎報告された全国の感染者数は4,094人で、昨年同期の1,183人を大幅に上回っています。


◎沖縄県(4.43人)を筆頭に、岩手県、青森県、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、新潟県、鹿児島県、東京都、さらに北海道(1.12人)など、全国の広い地域で患者が報告されています。


2. なぜ夏に?例年にない早期流行の背景


◎インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行しますが、今年は多くの学校で夏休みが明けない8月中の流行入りとなりました。


◎最も早かったのは新型インフルエンザが大流行した2009年ですが、通常の季節性インフルエンザとして8月に全国的流行入りするのは極めて異例です。


◎国際的な人の往来によってウイルスが持ち込まれる機会が常にあることなどが背景に挙げられますが、今年の詳細な原因や流行の中心となっているウイルス型(A香港型やB型など)については、今後の全国的な病原体分析が待たれています。


3. 今後の見通しとワクチン・予防のポイント


◎過去の傾向では、一度定点当たり報告数が1.00人を超えると、その後冬場のピークへ向かう例が多く見られます。


◎今秋から使用されるワクチンについては、すでにA型2種類とB型1種類で構成される「3価ワクチン」の製造が6月に決定されています。


◎高齢者や基礎疾患のある人は感染すると重症化リスクが高いため、医療機関や高齢者施設を訪れる際などのマスク着用が強く推奨されています。


■ 私たちが今すぐできる基本的な感染対策



※こまめな手洗い(外出後や食事前など)


※マスク着用を含む咳エチケットの徹底


※効果的な換気


※体調管理


※異例の夏インフルエンザに対し、季節を問わず油断せずに予防を継続すること


【参考資料】

『2026年 8月28日 インフルエンザの発生状況について厚生労働省 』


2026年9月4日金曜日

大腸がんは「防げる」!第4回:CT vs 内視鏡――どちらを選べばいいのか?


 科学的な視点で、それぞれの特性を理解しておきましょう。


CTは「広い範囲を短時間で調べたい時」や「他臓器への転移を確認したい時」に、内視鏡は「病変を直接観察して、その場で組織採取や治療を行いたい時」に選ばれます。検査目的や身体への負担が異なるため、症状に合わせて使い分けることが一般的です


1.CT検査(コンピュータ断層撮影)


・メリット: 短時間で腹部全体を撮影でき、胃や大腸の壁の外側にある他臓器(肝臓やリンパ節など)の状態も同時に把握できます。


・デメリット: 粘膜の微細な変化やごく初期のガンを見つけることは内視鏡に劣ります。また、放射線被ばくがあり、ポリープの切除や組織採取(生検)はできません。


※おすすめな人: 強い痛みや症状があり、まずは原因がどこにあるか広く早く探りたい方。


2.内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)


・メリット: 粘膜の表面を直接観察するため、微小な病変や早期ガンを発見する精度が非常に高いです。異常があればその場で組織を採取したりポリープを切除したりできます。


・デメリット: スコープを挿入するため、嘔吐反射や腹部の張りなどの苦痛を伴うことがあります。


・おすすめな人: 早期発見・治療を確実に行いたい方、健康診断などで異常を指摘され精密検査が必要な方。


※総合的な選び方


検診や自覚症状からの精密検査であれば、確定診断と治療が同時に可能な大腸内視鏡検査や胃カメラが第一選択となることが多くあります。


一方で、「内視鏡を入れるのが体力的に難しい」「バリウム検査でひっかかったが、まずは負担の少ない方法で全体像を確認したい」といった場合は、大腸CT検査などが選択されます。


もしすでに具体的な症状(腹痛、血便など)や受診の目的(健康診断の再検査など)が決まっていましたら、より具体的な検査の流れやおすすめの選択肢を絞り込むことができます。

大腸CTの「強み」: 腸を立体画像として俯瞰するため、内視鏡で見落としがちな曲がり角やひだの裏側の死角がありません。


また、お腹全体を撮影するため、肝臓や膵臓といった隣接する臓器の異常が偶然見つかることもあります。


特に「痛いのは絶対に嫌だ」「まずは全体を把握したい」という方、そして80代以上の方には非常に理にかなった選択です。


内視鏡の「強み」: やはり最大の利点は「見つけた瞬間に切除できる」ことで、ポリープ体質の方や、効率的に治療まで終わらせたい方には、こちらが最適です。


結論として、どちらかが優れているわけではなく、あなたの「今の心身の状態」に合う方を選ぶことが正解なのです。


【参考資料】

『大腸CT vs 大腸内視鏡どっちがいい?』


2026年9月3日木曜日

ワクチンの話2.💉 【2026年秋】コロナ&インフルワクチンは十分な供給へ!安心して備える秋からの定期接種

 


今年も秋の足音が近づき、そろそろ気になるのが「新型コロナウイルス」と「インフルエンザ」の流行シーズンへの備えですよね。


厚生労働省は2026年8月26日の専門部会(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発および生産・流通部会)において、今秋から始まる新型コロナおよびインフルエンザのワクチンについて、いずれも近年の使用実績を大きく上回る十分な量が確実に確保できる見込みであると発表しました。


「今年はワクチンが足りなくなるのでは?」「どんな種類のワクチンが選べるの?」といった疑問や不安をお持ちの方に向けて、今回の供給見込みと医学的なポイントをわかりやすく解説します。


📉 1. 新型コロナワクチン:約702万回分が供給へ


今秋(10月1日からの定期接種スタートを予定)に向けた新型コロナワクチンの総供給量は、約702万回分が見込まれて、昨年度の実績(約403万回分)を大きく上回っており、希望する方がスムーズに接種できる体制が整う予定です。


本年度の供給内訳には、いくつかの異なるタイプのワクチンが含まれており、それぞれの特徴に合わせた選択が可能となっています。


・mRNAワクチン:約548万回分


・組み換えタンパクワクチン:約102万回分


・レプリコンワクチン(mRNAが細胞内で複製されるタイプ):約52万回分


新型コロナウイルスは高齢者や基礎疾患を持つ方にとって依然として重症化・死亡リスクが高い感染症で変異を続けるウイルスや、時間の経過とともに低下する免疫(減衰)に対応するため、秋以降の流行株に合わせた定期接種を計画的に受けることが推奨されます。


🌡 2. インフルエンザワクチン:約5190万回分の豊富な供給


一方、インフルエンザワクチンについても、総供給量は約5190万回分と十分な見込みが発表されています。


すでに9月最終週の時点で約3147万回分が出荷されており、10月上旬の段階で過去3年の平均使用量を上回るペースで市場に行き渡る見通しで今シーズンも、A型2種類とB型1種類をカバーした「3価ワクチン」が使用され、幅広い流行株に備えます。


コロナとインフルエンザの同時流行(ツインデミック)を防ぐ上でも、例年通りの順調なワクチン供給は大きな安心材料と言えます。


📋 3. 安心のスケジュールと対象者


・新型コロナワクチンの定期接種:10月1日から開始(原則65歳以上の方、および60〜64歳で特定の基礎疾患を持つ方が対象で、自治体による公費助成があります)。


・インフルエンザワクチン:例年10月から順次接種が開始されます。


「いつ打つのがベスト?」と迷われる方も多いですが、ワクチンの免疫がついてから実際に効果が発揮されるまでの期間や、流行のピーク(例年冬から春にかけて)を考慮すると、定期接種の開始時期に合わせて計画的に接種を済ませておくことが最も確実な予防策となります。


🧬 まとめ|供給の不安を解消し、万全の冬支度を


「今年はちゃんとワクチンを打てるかな?」という供給面の心配はクリアされそうです。

新型コロナもインフルエンザも、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患をお持ちの方にとっては、依然として油断できない感染症です。

十分な量のワクチンが確保されるこの機会に、ご自身と大切なご家族の健康を守るため、早めのスケジュール確認と接種をご検討ください。


【参考資料・情報源】

厚生労働省「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発および生産・流通部会」(2026年8月26日発表)


『第40回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会 』