赤血球はヘモグロビン(血色素)を主成分として出来ています。
ヘモグロビンは、肺から取り込まれた酸素と結合して身体の各細胞に酸素を運び、同時に不要になった炭酸ガスを肺に運ぶ働きをしています。
赤血球の数を調べることにより、赤血球数が少ない病気や赤血球数が多すぎる病気が分かります。
赤血球の数が少ないと、全身運搬される酸素量が減少し、立ちくらみを起こしたり、血液を早く全身に運び酸素の運搬量を増やそうとすることから、脈が速くなったり、動悸、息切れといった貧血症状を起こします。
また、赤血球の数が多すぎる場合は、赤血球の数そのものは正常ですが脱水などで血液中の液体成分が減って相対的に赤血球の濃度が高くなっている場合は、水分を補給すれば問題ありません。
赤血球数そのものが増えている場合は、心臓や肺の病気で不足しがちになる場合の酸素供給を補うために増える二次性多血症と、病気のために赤血球が多く作られる真性多血症があります。
真性多血症は注意が必要な病気で、赤血球だけでなく白血球や血小板も増加しています。
赤血球数が多すぎるために血栓ができやすく、脳梗塞を起こしたりしますので、積極的に赤血球数を減らす治療が必要になります。
一方、ストレス多血症と呼ばれるものがありますが、これにはストレス、高血圧、喫煙、肥満などが関係していることがあり、中年男性に多くみられますが、これは生活習慣を改めることにより改善されます。
【基準値】
男性 430~570万/μl
女性 380~500万/μl
※基準値は検査方法や測定方法、測定機器、用いる試薬、単位などにより値が異なります。
男女とも1μl(=1mm3)中の赤血球数が300万個以下の場合は、明らかな貧血と診断されます。
ただし貧血の種類は、その他の検査を組み合わせて行わないと解りません。
赤血球の数が増えすぎて600~800万個になる場合は、多血症(赤血球増多症)と考えられます。
※HIVの感染の判断は、赤血球数検査では解りません。