世界各国の感染症の情報をいち早くお知らせします。
2025年3月13日、世界保健機関と国連児童基金はロシアやヨーロッパを含む53カ国でハシカ(麻疹)の感染件数が2024年に127352件に上り、21万件を超えた1997年以降最悪となったと発表しました。
5歳未満の子どもの感染が全体の43%と多く「肺炎や腎不全を併発し、生命に関わるケースもある」と警告を発し予防接種の重要性を訴えています。
世界保健機関と国連児童基金の報告書によりますと、ヨーロッパ地域では1997年以降、ハシカは減少し、2018年から再流行し始め新型コロナウイルスの世界的流行を経て2024年に急増しました。
このハシカは半数以上が入院が必要な重症であったと報告されています。
今回のハシカ再流行の一因としては、新型コロナウイルスの流行によるハシカの予防接種率の低下を指摘しています。
新型コロナ感染者への対応で医療施設は逼迫し、ロックダウンも影響し定期予防接種を含む医療サービスが混乱したのも一因とされています。
今後日本国内においてもハシカが流行する危険性は否定できません。
【ハシカ(麻疹)について】
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。
免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
現在の日本国内における麻疹患者数はかつてより著しく減少していますが、未だ年間約10~20万人と推計されています。
小児にとって麻疹は重症度の高い疾患で、近年は成人での発症も問題となっていることから、その対策は国民全体の健康を守るという点でも重要とされています。