XBB株についで非常に短いスパンで新しい変異株である「EG.5株」が台頭してきています。
EG.5は2023年8月8日時点では50カ国以上で確認されています。
EG.5株・EG.5.1株とはオミクロン株の派生株「XBB株」からさらに枝分かれした株の1つで、EG.5株は2023年2月17日に初めてインドネシアで報告され、2023年7月19日にVariant under monitoring (VUM)に指定され、2023年8月9日に瞬く間に注目すべき変異株(VOI)に指定されました。
BJ.1株とBM1.1.1株が組み合わさったのが「XBB株」。その後非常にバリエーションにとんださまざまな「XBB株」が生み出されます。その中の「XBB.1.9.1株」から派生した株が「EG.5株」「EG.5.1株」です。
この変異株は、ギリシア神話の不和と争いの女神にちなんで「エリス」と呼称されています。
EG.5株は他のウイルスに比べて後述するように、これまでのウイルス以上に成長優位性が高いのが特徴の1つ。8月7日時点で中国(30.7%)をはじめ、アメリカ、韓国、日本、カナダ、オーストラリアを中心に広がっており、WHOでも8月7日時点で「世界的に患者発生率が上昇し、優勢になる可能性がある」と発表しています。
EG.5株・EG.5.1株の症状としては、
・39℃以上の発熱と悪寒、倦怠感
・頭痛と関節痛
・喉の痛み
・咳、鼻詰まり、鼻水、呼吸困難
・下痢などの消化器症状
・味覚嗅覚の喪失
EG.5株・EG.5.1株は重症化しやすいのか?
少なくとも現時点では「重症化しやすい傾向はない」ように見えます。
世界保健機関の報告書でも、EG.5 は有病率の増加、成長優位性、免疫逃避性を示しているが、重症度の変化は報告されていないと報告されています。
【参考資料】
CDC「Monitoring Variant Proportions」)