【HHV-1とは】
口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、カポジ水痘様発疹症、角膜ヘルペスなどを引き起すウイルスです。
【感染者の実態】
日本人の場合、HHV-1には50~70%、2型には5~10%の人が感染していると言われており、どちらも再発を繰り返すのが特徴です。
【HHV-1の感染力】
接触や飛沫による感染が一般的です。
HHV-1は感染力が極めて強く、しかも一度感染すると、症状は治まってもウイルスその物は体内の神経節(※)に潜り込み、一生そこに棲みつき体から消えることはありません。
そのため、しばしば再発を繰り返します。
※神経節は、神経細胞が集まっている場所※
【症状】
唇や口の周りの皮膚にピリピリ・ムズムズした不快感や痛がゆさから始まり、数時間から数日で患部に皮膚の赤みや水ぶくれができます。
そして水ぶくれは破れてかさぶたとなり、2週間程度で治ります。
初感染(初めて感染した場合)の場合は、高熱などの重い全身症状を伴うことがあります。
もし感染してしまった場合にも、症状を悪化させずに早期に治療すること、人に感染させないこと、そして再発を予防していくことが重要となります。
【体内に侵入したHHV-1は排除できるのか】
現在の医学では、体内に侵入したHHV-1を完全に排除することは不可能です。
抗ウイルス薬を用いてHHV-1の増殖を抑えることは可能です。
早く治療すればするほど、症状は軽くてすみます。
【治療法】
抗ウイルス薬の外用薬や内服薬を用います。
全身症状が現れるなどの重症例や免疫不全の人に対する治療では、入院した上で抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。
【HHV-1の抗ウイルス薬】
アシクロビル(経口薬・軟膏・点滴)、塩酸バラシクロビル(経口薬)、ビダラビン(軟膏)があります。
【HHV-1の感染予防対策】
人に感染する力が極めて強く、人と人との直接的な接触のほか、タオルなどを介して感染してしまうこともあります。
皮膚に傷や湿疹ができて抵抗力が弱まっていると、HHV-1が侵入しやすくなるので注意が必要です。
一度HHV-1に感染した人は体内にHHV-1を持っているので、身体の抵抗力が低下すると、体内に潜むHHV-1が暴れ出し、再発しやすくなります。
再発のきっかけとして考えられるのは、かぜ・性交渉・過労・ストレス・紫外線などです。
特にタオルの共用は避ける必要がありますし、コップやグラスなどの食器も、HHV-1の症状が出ている間は、症状の出ている人と同じものは使わないようにする配慮が必要となります。
【検査】
血液検査によりヘルペスウイルスに対する抗体を検査します。
感染の初期ではIgMを測定することによりヘルペスであることを診断し、感染から時間が経過している場合や再発型が疑われている場合は、補体結合検査によるヘルペス抗体価を測定し診断します。
また、イムノクロマト法による抗体検査もありますが、HHV-1とHHV-2の感染の区別はできません
その他の抗体検査法としては、中和反応、酵素免疫測定法があります。
結果は、即日から5日程で分かります。
※但、以上の抗体検査ではHHV-1とHHV-2の感染の区別はできません※
※gG ELISAは、ウイルスの外郭に存在するglycoplotein G に対する抗体を測定する方法で、抗体検査のうち、唯一HHV-1とHHV-2の感染の区別が可能ですが、研究室レベルでなければ検査は出来ず医療機関で一般に受けることは出来ません※
【HHV-1と性行為について】
HHV-1を発症しているときは、性的接触は避ける必要があります。
性器ヘルペスによる感染だけではなく、口唇ヘルペスの人とのオーラルセックスによって感染し、性器ヘルペスを発症することもあります。
たとえ自覚症状がなくても、唾液や精液などにHHV-1が排泄されていることがあり、キスやセックスでパートナーに感染させてしまうことがあります。
※一昔前には上半身に感染するHHVは、HHV-1、下半身に感染するものはHHV-2即ち性器ヘルペスと言われていましたが、現在しその区別は出来ません※
次回はHHV-2(性器ヘルペス)について解説いたします。
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口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、カポジ水痘様発疹症、角膜ヘルペスなどを引き起すウイルスです。
【感染者の実態】
日本人の場合、HHV-1には50~70%、2型には5~10%の人が感染していると言われており、どちらも再発を繰り返すのが特徴です。
【HHV-1の感染力】
接触や飛沫による感染が一般的です。
HHV-1は感染力が極めて強く、しかも一度感染すると、症状は治まってもウイルスその物は体内の神経節(※)に潜り込み、一生そこに棲みつき体から消えることはありません。
そのため、しばしば再発を繰り返します。
※神経節は、神経細胞が集まっている場所※
【症状】
唇や口の周りの皮膚にピリピリ・ムズムズした不快感や痛がゆさから始まり、数時間から数日で患部に皮膚の赤みや水ぶくれができます。
そして水ぶくれは破れてかさぶたとなり、2週間程度で治ります。
初感染(初めて感染した場合)の場合は、高熱などの重い全身症状を伴うことがあります。
もし感染してしまった場合にも、症状を悪化させずに早期に治療すること、人に感染させないこと、そして再発を予防していくことが重要となります。
【体内に侵入したHHV-1は排除できるのか】
現在の医学では、体内に侵入したHHV-1を完全に排除することは不可能です。
抗ウイルス薬を用いてHHV-1の増殖を抑えることは可能です。
早く治療すればするほど、症状は軽くてすみます。
【治療法】
抗ウイルス薬の外用薬や内服薬を用います。
全身症状が現れるなどの重症例や免疫不全の人に対する治療では、入院した上で抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。
【HHV-1の抗ウイルス薬】
アシクロビル(経口薬・軟膏・点滴)、塩酸バラシクロビル(経口薬)、ビダラビン(軟膏)があります。
【HHV-1の感染予防対策】
人に感染する力が極めて強く、人と人との直接的な接触のほか、タオルなどを介して感染してしまうこともあります。
皮膚に傷や湿疹ができて抵抗力が弱まっていると、HHV-1が侵入しやすくなるので注意が必要です。
一度HHV-1に感染した人は体内にHHV-1を持っているので、身体の抵抗力が低下すると、体内に潜むHHV-1が暴れ出し、再発しやすくなります。
再発のきっかけとして考えられるのは、かぜ・性交渉・過労・ストレス・紫外線などです。
特にタオルの共用は避ける必要がありますし、コップやグラスなどの食器も、HHV-1の症状が出ている間は、症状の出ている人と同じものは使わないようにする配慮が必要となります。
【検査】
血液検査によりヘルペスウイルスに対する抗体を検査します。
感染の初期ではIgMを測定することによりヘルペスであることを診断し、感染から時間が経過している場合や再発型が疑われている場合は、補体結合検査によるヘルペス抗体価を測定し診断します。
また、イムノクロマト法による抗体検査もありますが、HHV-1とHHV-2の感染の区別はできません
その他の抗体検査法としては、中和反応、酵素免疫測定法があります。
結果は、即日から5日程で分かります。
※但、以上の抗体検査ではHHV-1とHHV-2の感染の区別はできません※
※gG ELISAは、ウイルスの外郭に存在するglycoplotein G に対する抗体を測定する方法で、抗体検査のうち、唯一HHV-1とHHV-2の感染の区別が可能ですが、研究室レベルでなければ検査は出来ず医療機関で一般に受けることは出来ません※
【HHV-1と性行為について】
HHV-1を発症しているときは、性的接触は避ける必要があります。
性器ヘルペスによる感染だけではなく、口唇ヘルペスの人とのオーラルセックスによって感染し、性器ヘルペスを発症することもあります。
たとえ自覚症状がなくても、唾液や精液などにHHV-1が排泄されていることがあり、キスやセックスでパートナーに感染させてしまうことがあります。
※一昔前には上半身に感染するHHVは、HHV-1、下半身に感染するものはHHV-2即ち性器ヘルペスと言われていましたが、現在しその区別は出来ません※
次回はHHV-2(性器ヘルペス)について解説いたします。
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