ヒトメタニューモウイルス(hMPV; human metapneumovirus)は、2001年にオランダで急性呼吸器感染症患児の鼻咽腔吸引液から初めて分離発見された比較的新しいウイルスで、風邪の原因の一つとして知られていて、特に乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は感染力が非常に強く、飛沫感染や接触感染によって広がります。
※抗体調査の結果からこのウイルスは50年以上前からヒトの間で流行しており、従来原因不明とされていた呼吸器感染症の病原体のひとつと考えられます(呼吸器感染症患者検体におけるHMPV陽性率は10-20%程度)※
【感染経路】
咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことで感染する飛沫感染。
ウイルスが付着した手や物に触れ、その手で口や鼻を触ることで感染する接触感染。
【感染期間】
症状が出る5日前から症状発症後1~2週間の間、他者にウイルスを伝播する可能性があるります。
解熱してからは感染力はかなり低下するといわれています。
【症状】
3~5日ほどの潜伏期間を経て、風邪に似た症状で咳、発熱、喘鳴などの症状が現れます。
一般的には症状は1週間ほどで治まることがほとんどですが、重症化することもありますので、乳幼児は特に注意が必要となります。
重症化した場合には、気管支炎、肺炎を発症します。
【治療】
インフルエンザに対するタミフルのような特効薬はなく、症状を緩和させる薬が中心に処方されるれ対処法となります。
抗生物質は効き目がないことから基本的には使用しません。
【検査法】
イムノクロマト法を利用とした『ヒトメタニューモウイルスキット クイックチェイサーhMPV』があります。
詳しくは以下を参照してください。
【感染経路・感染率】
ヒトメタニューモウイルス感染症の感染経路は、感染者の咳や飛沫がついたものに触れることです。
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)の感染確率は、2歳までに約30%、5歳までに約75%、10歳までにほぼ100%と言われていて、感染力が強いウイルスで発症は繰り返されます。
【予防】
ヒトメタニューモウイルス感染症の感染対策としては、手洗いやマスクの着用など、飛沫感染および接触感染対策が重要です。
家庭内に感染者がいる場合は、食器やタオルを分けて使用しましょう。