妊娠した女性の症例数は2021年に187例だったものが、22年には267例、23年には383例と前年比1.4倍程度で増加し、2023年は女性症例に占める妊娠症例の割合が7.2%となり、数と割合のいずれも増加しています。
2019年 208人
2020年 185人
2021年 187人
2022年 267人
2023年 383人
妊娠初期に適切な治療を受ければ胎児への感染リスクを予防可能ですが、現在妊娠初期の妊婦健診を受けないことが増加した結果、梅毒の診断を受けたときの妊娠週数が中期以降であった症例の割合は、2022年以降減少したものの、依然として40%を超えていいます。
日本では、妊娠初期の妊婦健診で梅毒のスクリーニング検査が実施され、早期の発見につなげようとしていますが、しかしながら妊婦健診を受けない妊婦もいることから、別の機会で妊娠初期に検査を受けられる機会を提供することも重要だと考えられています。
また妊娠している女性で梅毒と診断された後、流産(2022年3例・2023年2例)や死産(同11例・9例)、人工妊娠中絶(同43例・28例)に至ったケースが報告されています。
現在の感染症発生動向調査では届出が義務化されていないことから、正確に把握できていない可能性があるのと、梅毒と流産・死産などのの関連も定かではないという現実があります。
【梅毒トレポネーマの感染防止と先天性梅毒の防止には】
以下のことを厳守する必要があります。
1.兎に角男女ともに梅毒に感染しすような行為をしてしまった場合、必ず適切な時期に検査を受ける。
2.結婚前にはお互い梅毒を含む性感染症検査を受ける。
3.妊婦健診時の梅毒検査は、妊娠初期と中期に必ず受ける。