強直性脊椎炎とは、脊椎、仙腸関節、股関節や肩の関節などに炎症が起こるいくつかの病気をまとめて脊椎関節炎と呼びますが、強直性脊椎炎はその中の代表的な病気です。
強直性脊椎炎は、病状が進行すると脊椎の間に強直が起こるのが特徴です。
強直性脊椎炎の原因は、未だ明らかにはされていません。
強直性脊椎炎の患者は、白人では0.4%と多く、日本人では、0.0065%と低く中国・韓国人は、発生頻度が高いとされています。
また、男女比は12:1と男性に多く、発症年齢は、10歳~35歳です。
しかし、強直性脊椎炎はHLAのうち、ある特定の遺伝子型であるHLA-B27をもつ人が多いことが明らかにされています。
しかし、強直性脊椎炎の患者の中には、HLA-B27以外のHLA型を有する人もいること、病気を起こすのはHLA-B27をもつ人の中でも一部であることからして、HLA-B27だけが強直性脊椎炎を引き起こすとは言えません。
※HLA-B27を有する人、即ち強直性脊髄炎ではありません※
現実、強直性脊椎炎の人の90%がHLA-B27陽性であるという事実は間違いありません。
このことは、HLA-B27の頻度の多い国でも少ない国でも同様の結果がみられます。
強直性脊椎炎とHLA-B27の関連については、
1)HLA-B27自体が関与するという説
2)HLA-B27と極めて近くに存在するほかの遺伝子が原因とする説
二つの仮説がありましたが、近年では、種々の研究結果からHLA-B27自体が原因であるという説を強く支持されています。
現在では、HLA-B27 がどのようにして強直性脊椎炎を引き起こす原因になるのかということが研究の焦点になっています。