国立感染症研究所は、2024年3月19日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(syndrome thrombocytopenia with fever severe:SFTS)の人から人への感染例を、国内で初めて確認したと発表しました。
SFTSは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されるSFTSウイルス(SFTSV)によるマダニ媒介感染症で、主にマダニに刺咬されることで感染し、潜伏期間は6~14日です。
最近では、SFTSVに感染した伴侶動物(ネコ、イヌ)に咬まれて、または、直接触れて感染した事例も報告されています。
SFTSの人から人への感染例は、中国や韓国では報告されていますが、基本的には「SFTSはマダニからの感染が基本で、人から人への感染は簡単には起きないとされています。
人から感染したのは20歳代の男性医師。2023年4月にSFTSと診断された90歳代の男性患者を担当し、死亡後に点滴を外す処置などを行い、その9日後に38℃発熱などの症状が出て、SFTSと診断されました。
死亡した男性と医師のウイルスの遺伝子を調べたところ、同一と考えられたため、人から人への感染と判断されました。
医師の症状は軽快しています。
患者の血液や体液に触れる可能性がある医療従事者は感染対策を徹底する必要があると警笛を鳴らしています。
感染した医師は、処置時にマスクや手袋は着けていたが、ゴーグルは着用していなかったとのことてす。
【重症熱性血小板減少症候群の感染ルート】
1.マダニに噛まれる
2.マダニに噛まれたネコの唾液や尿に触れる
3.マダニに噛まれた人の血液・尿・唾液に触れる
【重症熱性血小板減少症候群の予防対策】
上記1~3に気をつけることです。
※人から人への感染が確認されたことから、今後日本国内でも患者と接触して感染が発生する危険性があることを認識しておく必要があります※
【参考資料】