従来から流行している地域と今回新たに流行が始まった非流行国でのサル痘患者の症状と感染経路は異なっています。
1.非流行国のサル痘患者は、発熱や悪寒の前駆症状がなく突然皮疹が現れ、皮疹が現れたあとから発熱・悪寒・リンパ腺の腫れなどが現れる場合と、皮疹が1~数カ所に出るのみで他の症状が現れない患者も存在します。
2.流行地でのサル痘の皮疹は、顔め手のひら・足の裏が好発部位ですが、非流行地の患者では性器・肛門周囲に皮疹が現れ、顔や手足にはあまり現れません。
更に流行地でのサル痘は、直腸炎を伴う直腸痛を訴える患者が多くいます。
3.この様に昔からアフリカで流行していたサル痘と症状が異なるのは、患者の多くがゲイや両性愛者で男性と性交交渉のある男性であり、感染経路がアフリカでの感染経路と異なる事によることによると考えられています。
4.また、非流行国の初期症状によっては梅毒やその他の性感染症と誤診される可能性が高いことも指摘されています。
上記のごとく従来のサル痘と新たに流行が始まったサル痘とは異なった所見が見られます。