白血球は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球の5種類に分類することが出来ます。
白血球を染色してこれら5種類に分類する検査を白血球分類検査または、血液像と呼びます。
これら5種類の白血球は、身体が正常な状態のときはそれぞれの占める割合が一定範囲内に保たれていますが、身体になんらかの異常が発生すると比率に変化が現れます。
これら5種類の白血球の働きを簡単に説明しておきます。
1.好中球
白血球の半分以上を占め、外界から病原菌や異物が侵入すると増加して、病原菌や異物を食べて分解し生体に無害なものにします。
感染症に感染した時や炎症があるときに増加します。
2.リンパ球
免疫を司り、Tリンパ球とBリンパ球があり、病原菌が侵入した時に、その病原体に対する抗体を作って撲滅する働きをするとともに、侵入した病原体を記憶する働きを持っています。
ウイルス感染で増加します。
3.単球
マクロファージ(大食細胞)とも呼ばれ、病原菌や異物などを食べて生体に無毒なものにし、免疫抗体を作り出すことを促す働きをします。
4.好酸球
生体の防御反応に関与し、アレルギー性疾患に感染すると増加します。
寄生虫に感染すると増加します。
5.好塩基球
ヒスタミンやヘパリンなどの物質を含み、アレルギーや血管拡張などの作用に関与することから、細胞内の顆粒(ヒスタミン等)を放出し即時型アレルギーをおこします。
【基準値】
好中球 40~70%
リンパ球 20~45%
単球 3~7%
好酸球 0~5%
好塩基球 0~2%
※白血球分類は、自動血球計数機で自動的に分類されることから、使用機器の種類により基準値は若干異なることがあります。
【白血球増加の原因】
1.好中球
感染症、炎症、血液疾患及び膠原病など。
2.リンパ球
ウイルス感染症、リンパ性白血病など。
3.単球
感染症、悪性腫瘍、単球性白血病など。
4.好酸球
アレルギー疾患、寄生虫感染、慢性骨髄性白血病など。
5.好塩基球
慢性骨髄性白血病、粘液水腫など。
【白血球の減少】
1.好中球
ウイルス性肝炎、インフルエンザ、急性白血病など。
2.リンパ球
AIDS、再生不良性貧血など。
3.単球
細菌により血液中に毒素が分泌されて発症する内毒素血症など。
4.好酸球
感染症の感染初期など。
5.好塩基球
甲状腺中毒症、過敏症などの急性のアレルギー反応など。
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