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2018年5月14日月曜日

心臓疾患についてー5.狭心症ー

狭心症とは、心臓の筋肉である心筋への酸素供給が低下して供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気を言います。

【狭心症の起こる原因】

冠動脈に動脈硬化が進むと血管の内側にコレステロールなどが沈着して壁が厚くなり、やがては血液の通りみちが狭くなります。

動脈硬化は加齢とともに誰にも起こりますが、それが病気にまで進む詳しいしくみは解明されていません。

現在知られている冠動脈に病気を起こしやすくする原因としては、代表的なものとして高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・喫煙・ストレスなどがあります。

いずれも食事や運動などの生活習慣が、その発症・進行に大きく関与しています。

【狭心症の症状】

は胸骨の後ろの圧迫感や痛みとして感じられますが、多くの人はこの感覚を痛みというよりも不快感や押しつぶされるような感覚と表現します。

【狭心症の検査】

狭心症の診断は、殆どの場合が患者当人の症状の訴えに基づいて下されます。

心電図検査では、発作と発作の間には、ときに狭心症の発作中でさえ、ほとんど異常が認められず、広範囲の冠動脈疾患がある患者ですら異常が認められない場合があります。

発作中は、心拍数がわずかに増えて血圧が上がるため、聴診器で心拍の変化を確認できることがあります。

ホルター心電計による24時間心電図モニタリングでは、症候性または無症候性の虚血や異型狭心症(典型的には安静時に発生します)を意味する異常を検出することが可能となります。

その他の検査としては、負荷試験、心エコー検査、冠動脈造影検査などがあります。

【狭心症の治療】

基本的にはまず、冠動脈疾患の進行を遅らせるか、回復に向かわせるために、危険因子に対処することから始めます。

即ち高血圧や高コレステロール血症などの危険因子は、速やかに治療します。

禁煙は不可欠となります。

治療薬としては、ベータ遮断薬、硝酸薬(ニトログリセリンおよび長時間作用型硝酸を含む)、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、抗血小板薬の5種類が用いられます。

要するに血管の緊張をできるだけ緩め、心臓の負担を減らし、血液を固まりにくくしておくというのが基本となるわけです。

カテーテルという細い管を直接冠動脈の入り口まで挿入し、この針金をガイドにしてバルーンを狭窄部まで持っていき、バルーンを膨らませて狭窄を押し広げ拡張させ、狭くなった冠動脈をバルーンで押し広げたあとに、コイル状の金属のステントを留置するカテーテル・インターベンションを行います。

また、薬物治療やカテーテル・インターベンションを実施できない場合には、冠動脈バイパス術を実施します。

これは閉塞した冠動脈には手をつけず、身体の他の部分の血管を使って狭窄部分の前と後ろをつなぐ別の通路(バイパス)を作成して、狭窄部を通らずに心筋に血液が流れる道をつくります。

バイパスに用いる血管は、足の大伏在静脈、胸の中で心臓の近くにある左右内胸動脈、胃のそばにある右胃大網動脈などを使用します。

【狭心症と心筋梗塞の違い】

狭心症は冠動脈の血管が狭くなり、心臓へ送る血液の量が少なくなってるものをいいます。

心筋は死なずに生きています。

心筋梗塞は冠動脈の血管が完全に閉塞して、心臓への血液供給が大幅に減少し心筋が壊死してしまうものをいいます。

そして詰まった血管の先には血が流れないため、心筋が壊死して心臓が動かなくなってしまいます。