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2015年6月11日木曜日

膠質反応について-2.TTT-

【TTTとは】

Thymol Turbidity Test(チモール混濁試験)の頭文字を取った検査です。

【TTTは何を調べる検査】

ガンマーグロブリン(特にIgM、IgG)の増加やアルブミンの減少及び脂質の増加と相関し、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、多発性骨髄腫などで上昇します。

特にA型急性肝炎で極めて高い数値を呈します。

従って肝機能のスクリーニング(ふるい分け)検査のひとつとして実施されます。

【どのようにして検査するのか】

検査前日の夕食の後は絶食し、翌日の空腹時に採血をし、血液を遠心分離し得られた血清成分に検査試薬のチモールを加えて血清中のガンマーグロブリンとベータグロブリンが混濁するの量(混濁)する度合いを調べます。

グロブリンや脂質及びリポタンパクなどが増加すると混濁度が増しますが、アルブミンが減少すると混濁度が下がるので、グロブリンとアルブミンの量的な比率と変化を測定する事ができます。

【基準値】

0~4U以下(Maclagan単位)

※男女差があり、男性のほうが少し数値が高めですが、妊娠中あるいは更年期の女性になると男性とほぼ同等以上の数値となります※

※基準値は医療機関によって異なる場合があります※

【異常値と疑われる疾患】

高値・・・・・A型肝炎、慢性活動性肝炎、高脂血症、膠原病、脂肪肝、多発性骨髄腫、肝硬変など

低値・・・・・栄養不良、転移性肝がん

【異常が見られたら】

特異性が低い検査ですから、異常値となった場合には蛋白分画やAST、ALT、LDH、ALPなどの肝機能検査やCRP、抗核抗体、IgM-HA抗体など関連する検査を実施して総合的に判断します。

血液検査の前日に脂肪分の多い食事を取った場合にはガンマグロブリンが増加しやすくなり、数値が高くなる傾向があります。

【TTTでHIV感染の判断はできるのか】

TTTはHIVの感染の判断が出来るのかと質問を受けますが、

この検査は、血清中のガンマーグロブリンの増加の度合いを調べる検査ですから、HIV感染に特異的な検査ではないのでHIV感染の判断には利用できません。


HIVに感染して肝機能障害やリウマチ,膠原病などがないにも係わらず,ガンマグロブリンの値やTTTの値が高値になる場合がありますが、TTTの値が高値になったからHIVに感染しているとはいえません。

HIV感染の判断は適切な時期にHIV検査を受けないと分かりません。