2024年8月14日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長はアフリカ中部で広がる感染症「エムポックス(サル痘)」について、約1年3か月ぶりに「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
世界保健機関によりますと、エムポックスの新系統のウイルスが2023年に見つかり、急拡大しコンゴ民主共和国では2024年、15600人以上の感染と537人の死亡が報告されています。
この新系統のウイルスはケニアやルワンダなど周辺国でも確認されています。
更に2024年8月15日、スウェーデン保健当局はアフリカで感染が拡大するエムポックス(サル痘)のウイルスで、より重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者を国内で確認したと明らかにしています。
アフリカ外でクレード1の感染が確認されたのは初めてで流行地域に滞在中に感染したと考えられています。
【エムポックスウイルスについて】
コンゴ盆地型(クレードⅠ)と西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)の2系統に分類される。
コンゴ盆地型(クレードⅠ)による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)による感染例の死亡例は1%程度と報告されている。
天然痘に似たエムポックスは元々アフリカの風土病でしたが、2022年以降に欧米などで感染が拡大しています。
世界保健機関は2022年7月に緊急事態を宣言し、感染が落ち着いた2023年5月に解除しています。
日本国内においては、2024年8月9日時点で248人の患者が確認されています。
2023年12月には、海外渡航歴のないHIV感染者の30代男性がエムポックスで死亡したていますが、国内の死者確認はこれが初めてです。
今後の流行に気をつける必要があります。