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2017年12月6日水曜日

性行為感染症についてー8.梅毒診断と梅毒治療について(その1.梅毒診断)ー

梅毒と確定診断するには以下の要素を満たす必要があります。

1)STS検査のRPR法が陽性で、抗体価が16倍以上

2)TPHA等のTP検査が陽性

※梅毒特有の症状が見られその患部から梅毒トレポネーマが証明される場合はこの限りではありません※

○生物学的偽陽性反応(BFP)とは

梅毒トレポネーマに感染していなくてもSTS検査が陽性となる場合を言います。

STS 法では、カルジオリピン‐レシチンというリン脂質に対する抗体を検出しています。リン脂質は細胞質などの成分として生物界に広く分布しています。

そのため、梅毒以外の疾患でもリン脂質に対する抗体が産生され、反応が陽性となることがあります。
これを生物学的偽陽性(BFP)といいます。

BFP を呈する代表的な疾患としては、膠原病、慢性肝疾患、結核や HIV 感染症などをあ
げることができます。さらには、妊婦や高齢者などでも偽陽性となることがあります。

STS検査が陽性の場合には、必ずTP検査を実施して陽性であることを確認する必要があります。

※生物学的偽陽性反応の場合は、RPR法の抗体価が8倍を超えることはほとんどありません※

○非病原性トレポネーマによるTP検査の偽陽性反応

稀にTP検査でも梅毒トレポネーマに感染していなても、非病原性トレポネーマによる交差反応によってTP検査が陽性となることがあります。

○TP検査のみ陽性の場合の注意点

抗生物質の治療によって既に完治している場合でもTP検査は陰性とはならず、陽性のままとなります。

これを陳旧性梅毒と言います。

※陳旧性梅毒とは既に治癒しているが血清反応のみ陽性の場合を言います※

※陳旧性梅毒は感染力がないため治療対象とはなりません※