2022年12月11日時点で12192人の梅毒患者が報告され、未だに大流行は収まっていません。
梅毒の大流行に関して、再度梅毒の各病期の症状について解説いたします。
梅毒トレポネーマは感染後に数時間でリンパ管や血液内に到達し全身に広がります。
初期症状が出る前に全身に広がります。
第1期では、梅毒トレポネーマが侵入した場所(感染部位)に初期硬結が出来てやがてこれが崩れて潰瘍化しますこれを硬性下疳といいます。
この初期硬結は痛みも痒みもなく(無痛性)、3~6週で完全になくなることから感染したと言う認識がなく、早期の治療機会を逃すことになります。
また、鼠径リンパ節も腫れますが痛みがまったくないことから、やはり感染を見逃すことになります。
この痛みのない鼠径リンパ節の腫れを無痛性横痃といいます。
第2期では梅毒で極めて典型的な梅毒性バラ疹が全身にできますが、すべての感染者に出るのではなく感染者の6.5%とその出現頻度は低いのが現実です。
一般的には梅毒性バラ疹の出現よりも丘疹性梅毒や梅毒性乾癬、扁平コンジローマの方が高頻度との報告がありますが、これもすべての感染者に出るのではなく17~25%の感染者にしか出現しません。
昔から言われている梅毒になるとバラ疹が出るということは成り立たないのが現実です。
要するにいつも注意を促していますように、今の梅毒は梅毒トレポネーマに感染しても、梅毒特有の症状が出ない無症候性梅毒が多いということです。
分析可能な直近の梅毒患者141人中無症候性梅毒は29人21%も存在しています。
このことは危険な行為をしてしまったときには必ず適切な時期に梅毒検査を受けないと感染の判断ができないということになります。