現在ネット等で販売されている新型コロナウイルス抗原検査キットは、国が承認した体外診断用医薬品ではなく、研究用として販売されている検査キットです。
この研究用検査キットは、感度や特異性など検査キットが本来有する性能等が確認されていません。
研究用検査キットは、新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としているものではありません。
研究用検査キットの中には、あたかも国が承認したものであるかのような表示をしている物もあることから購入時には十分注意して体外診断用医薬品を購入してください。
【購入時の注意点】
薬局にて薬剤師に相談して必ず「体外診断用医薬品」と表示されたキットを購入してください。
2020年5月エスプラインSARS-CoV-2(富士レビオ)、2020年8月クイックナビ-COVID19Ag(デンカ株式会社)、2020年10月イムノエースSARS-CoV-2、キャピリア SARS-CoV-2(株式会社タウンズ)が順次承認を受けた、2021年10月現在14社16製品のイムノクロマト法による抗原簡易検査キットが承認されて薬局で販売されています。
【特徴】
・感度はPCR検査に比べてかなり低い。
・特異性は非常に高い。
【検査検体】
鼻の奥、鼻咽頭の中に綿棒を入れる「鼻咽頭ぬぐい液」の採取がもっとも感度がよい方法ですが、一般の人にはなかなか難しい手技であるため、「鼻腔ぬぐい液」を採取するのが一般的です。
【判定】
15~30分で結果が分かります、この時間はメーカ添付文書に記載された時間を厳守する必要があります。
・陰性・・・抗原検査陰性即ち感染していないことを正しく判定できる感度は約40~90%と製品ごとにばらつきがあります。
※無症状の場合、ウイルス量がとても少ない可能性があるので、感染していても陽性とならない「偽陰性」が起こることは否定できません※
※検査が陰性であっても新型コロナウイルス感染症の症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください※
・陽性・・・抗原検査陽性即ち感染しているを正しく判定できる特異度はほぼ100%です。
・判定保留・・・陰性又は陽性の判断がつきにくい場合ですが、再度検査をする必要があります。
【抗原検査を薬局販売した目的】
厚生労働省の承認を受けた新型コロナの抗原検査キットは、現時点では「健康なときに薬局であらかじめ購入しておき、症状が出た場合に自宅で検査をおこなう」という使い方を想定していますので、体調不良時に近所の薬局へ抗原検査キットを買いに行くのではなく、このような場合は薬局ではなく医療機関を受診する必要があります。
【購入時の注意点】
承認された抗原検査キットを購入する場合、薬剤師から検体の採取方法などの説明を受け、最後に内容を理解したかどうか確認する書類に署名が必要です。