「あなたの胸は高濃度です」と言われたらどうされますか?
この場合の検査法としてのマンモ+エコー併用のメリットと「擬陽性」の注意点について解説いたします。
第1回ではマンモグラフィーの重要性をお伝えしましたが、こんなニュースをご存知でしょうか?
※ニュースのポイント
厚生労働省は、自治体の乳がん検診で**「高濃度乳房(高密度な乳腺)」**だと判明した受診者へ、その結果を通知するよう自治体に促す方針に転換しました。
「高濃度乳房って病気なの?」「何に気をつければいいの?」と不安になりますよね。
第2回では、高濃度乳房の正体と、話題の「マンモとエコー(超音波)の併用」について解説します!
1.「高濃度乳房」ってなに?
乳房は主に「乳腺」と「脂肪」でできて、この乳腺の割合が高い状態を「高濃度乳房(デンスブレスト)」と呼びます。
実は、40代の日本人女性の約60%(全年代でも約半数)が高濃度乳房ですが、これは病気ではなく以下の特徴があります。
1)マンモグラフィーで「がん」が見えづらい
マンモでは乳腺もがんも「白く」写るため、背景と同化して白の中に白が隠れてしまう。
2)乳がんの発症リスクがやや高め
「発症リスクがやや高め」と言われる理由には、「実際に乳がんになりやすい(発症リスク)」という面と、「検査でがんが見つかりにくい(発見・見落としリスク)」という2つの側面があります。
3.マンモとエコーを併用するとどうなる?
「マンモで白く隠れるなら、しこりが黒く写るエコー(超音波検査)を一緒に受ければいいのでは?」と思いますよね。
実際に日本人女性約7万人を対象に行われた大規模な研究(J-START研究)とその長期追跡調査では、マンモとエコーを併用することで、早期乳がんの発見数が増え、進行がん(ステージ2以上)で見つかる割合が減ったことが分かりました。
「やっぱり併用したほうがいいじゃん!」と思いますよねしかし、話はそう単純ではありません。
4.専門家が併用に「慎重」になる理由:知っておきたい「偽陽性」
併用検査には、非常に重要なデメリット(臨床的コスト)が存在します。
① 「偽陽性」が増える
「本当はがんではない(良性のポリープや水たまりなど)」のに、「がんの疑いあり」と判定されてしまうことで、精密検査(再検査や針を刺す組織生検など)を受ける必要が生じ、受診者の精神的ストレス・時間・経済的負担が大きくなります。
② 死亡率はマンモ単体と変わらない
近年の乳がん治療の進歩はめざましく、進行してから見つかっても治療成績(予後)は良くなってきているため、エコーを足して早期がんを多く見つけても、「結果的に乳がんによる死亡率はマンモ単体と大きく変わらなかった」というデータが出ているのです。
③ 技師の熟練度に左右されやすい
エコーはリアルタイムで手動で機械を当てるため、検査をする技師の技術や精度にバラつきが出やすい点も課題です。
これが一番の理由です。
まとめ:通知を受け取ったらどうする?
「高濃度乳房」と通知されたからといって、過度に恐れる必要はありません。
まずは「自分の胸はマンモグラフィーだけだと病変が隠れやすいタイプなんだ」というリスクを正しく認識することが第一歩です。
最終回の第3回では、では結局「私ならどう検診を受ければいいの?」という疑問に具体的にお答えします!
【参考資料】

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