災害時の車中泊などで広く知られるようになった「エコノミークラス症候群(医学名:急性肺血栓塞栓症など)」しかし、これは特殊な災害時や飛行機内だけに起こるものではなく、私たちの日常生活やデスクワーク、長時間のドライブなど、いつでも誰にでも起こり得る身近な危険です。
※エコノミークラス症候群の由来は、飛行機のエコノミークラスのような狭い座席に長時間座り続け、足の血行が悪くなることで発症することが多いためで医学的な正式名称は「急性肺血栓塞栓症」や「深部静脈血栓症」と呼ばれます※
今回は、脱水が引き起こすリスクメカニズムと、今日から実践できる具体的な予防策を分かりやすく解説します。
1. なぜ「脱水」が引き金になるのか?
長時間同じ姿勢でいることで足の血流が滞ると、血管内に血の塊(血栓)ができやすくなりこれに「脱水」が加わると、血液の水分量が減って粘度が高くなり(血液がドロドロの状態)、血栓が形成されるリスクが急激に跳ね上がります。
特に気温が高くなる季節や猛暑の中では、知らず知らずのうちに汗として水分が失われやすくなりますが、厄介なことに脱水は自分では自覚しにくいという特徴があります。
🚨 要注意! 脱水を見抜くための「体のサイン」
何リットル飲めば安心かという基準は活動量や発汗量によって異なるため一概には言えませんが、危険を察知する確実なバロメーターがあります。
◎トイレの回数や量がいつもより少ない
◎尿の色が濃い茶色や黄色っぽくなっている
こうした変化に気づいたら、すでに体は水分不足を訴えています。すぐに水分補給を行いましょう。
2. 水の「飲みすぎ」にも落とし穴が? 正しい水分・塩分補給
「脱水がいけないなら、とにかく水を大量に飲めばいい」というわけではありません。
水ばかりを過剰に摂取すると、体内のナトリウム(塩分)濃度が希釈されて低ナトリウム血症を引き起こし、手足のけいれんや足のつる原因になります。
そのため、汗をかいたときは塩分が一緒に補給できる「経口補水液」や塩分タブレットなどを上手に活用することが極めて有効です。
3. 肺に詰まると命に関わる「恐ろしいメカニズム」
ふくらはぎなどの深部静脈にできた血栓が血流に乗って剥がれ落ち、心臓を経て肺の血管に詰まってしまうと、急性肺血栓塞栓症を引き起こします。
◎主な症状: 突然の激しい息苦しさ、胸の痛み、動悸、冷汗など
◎対処法: これらの症状が現れた場合は、一刻を争う事態であるため、迷わずすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
車中泊や長時間の移動など、動かずにじっとしている環境では、体調の変化や息苦しさに自分で気づきにくいケースもあるため、一層の注意が必要です。
4. 年代を問わないリスクと、今日からできる予防策
「高齢者がなるもの」と思われがちですが、過去の災害や事例を見ても、40代をはじめとする働き世代や、さらに若い年代での発症リスクもゼロではありません。
年代を問わず誰もが対策を意識しておく必要があります。
💡 今すぐできる実践的な予防法
1)こまめな水分・適度な塩分補給
トイレに行くのを恐れて水分を控えるのは、かえって血栓リスクを高める最大の悪循環となることから、しっかり水分をとりトイレの環境を整えましょう。
2)2〜3時間に1回の運動・歩行
長時間の移動やデスクワークでは、少なくとも2~3時間に1回は立ち上がって歩く、あるいは座ったままでも足首を上下に動かす、ふくらはぎを軽くもむなどして、筋肉のポンプ作用で血流を促しましょう。
3)弾性ストッキングの活用
足を適度に圧迫することで、静脈の血流スピードを高め、血栓ができるのを予防する医療用・市販の弾性ストッキングも有効です。
4)ゆったりとした服装
締め付けの強いベルトや衣類は血流を妨げるため、リラックスできる服装を心がけましょう。
日常生活のちょっとした意識の積み重ねが、あなた自身の命と健康を守ります。
今日からこまめな水分補給と足のケアを習慣にしていきましょう!
【参考資料】
