厚生労働省が公表した最新のデータ(2026年第41週:10月5日〜10月11日分)によると、全国の定点医療機関あたりの新型コロナウイルス感染症の報告数は1.44人(前週は1.51人)と横ばい傾向で推移しています。
※若年層(健康な若い世代)における新型コロナウイルスワクチンの必要性は、「個人の重症化予防」という観点からは高齢者に比べて優先度が低く、現在は高齢者や基礎疾患のある方を対象とした「定期接種」が中心となっています※
※日本小児科学会は、小児におけるCOVID-19の重症化予防に寄与することが確認されたことをふまえ、メリット(発症予防や重症化予防等)がデメリット(副反応等)を更に大きく上回ると判断し、健康な小児へのワクチン接種は「意義がある」という表現から、「推奨します」という表現に変更する方針としています※
『5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方』
70歳以上の高齢者における今季(秋冬)の新型コロナウイルスワクチン接種については、関連学会(日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会など)や厚生労働省の専門部会において、医学的メリット(重症化予防・死亡リスク低下)が副反応のリスクや費用を上回るとして接種が強く推薦・推奨されています。
接種の検討・判断にあたっての主なポイントを以下に整理します。
1. 接種が推奨される主な理由
◎重症化および死亡リスクの高さ5類移行後も、新型コロナウイルス感染症による重症化や死亡例の大部分(90%以上)は65歳以上の高齢者や基礎疾患(心臓病・腎臓病・呼吸器疾患・糖尿病等)を有する方に集中しています。
◎経時的な免疫減衰過去のワクチン接種や感染によって得られた抗体(体液性免疫)や細胞性免疫は、時間の経過に伴い低下することからして、特に高齢者は免疫応答の持続が若い世代に比べて短い傾向があるため、定期的な追加接種(ブースター)が有効とされています。
◎変異株への対応今季供給されるワクチンは直近の流行株(JN.1系統やその派生株等)に対応した組成となっており、最新の流行株に対する十分な中和抗体応答を誘導する設計となっています。
◎入院・ADL(日常生活動作)低下の予防高齢者の場合、感染を契機として肺炎や原疾患(持病)の増悪、あるいは長期入院による筋力低下(フレイル)や認知機能の低下を招きやすいため、感染予防・重症化防止がQOL維持に直結します。
2. 制度面および助成(定期接種)
◎対象枠組み:法上の「B類特定感染症に対する定期接種」として実施され65歳以上は自己負担額を抑えた自治体助成(公費負担)の対象となります。
◎自己負担額:各自治体や所得区分により異なりますが、標準的には数千円程度の自己負担(自治体により全額公費負担〜数千円の助成まで幅あり)で接種可能です。
3. 検討すべき注意点(副反応・選択肢)
◎局所・全身副反応
接種後の発熱、倦怠感、局所の疼痛・腫脹などは一定頻度で発生することから、過去の接種時の副反応の程度(高熱や強い全身倦怠感など)を考慮し、事前の解熱鎮痛薬準備などの対策が推奨されます。
◎ワクチンの種類・選択肢
mRNAワクチン(ファイザー、モデルナ、第一三共等)に加え、組み換えタンパクワクチン(ノババックス等)やmRNAワクチンの自己増殖型(レプリコンワクチン)など複数の選択肢が存在しますので、過去の副反応歴や受容性に応じて主治医と選択肢を相談することが可能です。
まとめ
70歳以上の年齢層では、加齢に伴う免疫老化および持病の有無を考慮すると、今季の接種による重症化・死亡予防の臨床的意義は極めて高いと考えられます。
基礎疾患のコントロール状態や過去の接種後反応に特記すべき問題がなければ、かかりつけ医等とご相談のうえ、秋冬シーズンに向けた定期接種を受けられることをお勧めいたします。
【参考資料】

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