「予防接種を受けてもインフルエンザにかかることがあるなら、ワクチンなんて意味がないのでは?」
そんな疑問をよく耳にしますよね。
結論からお伝えすると、「ワクチンを打っても感染自体を100%防ぐことはできないが、打つには大きな意味がある」というのが医療の現場における事実です。
その理由と、私たちが知っておくべき大切なポイントを分かりやすく紐解いていきます。
1. ワクチンの本当の役割は「発症・重症化の予防」
インフルエンザウイルスは変異しやすいため、ワクチンを打ってもウイルスが体内に入り込むこと自体(感染)を防ぎそびれることがあります。
しかし、ワクチンの真の目的はそこではなく、あらかじめ抗体を作っておくことで、ウイルスが増殖するのを抑え、発症や重症化を防ぐことが最大の役割なのです。
実際、次のような発症・死亡予防効果が報告されています。
◎乳幼児:発病をおよそ20~50%防ぐ
◎健康な65歳以上の高齢者:発病をおよそ45%、死亡をおよそ80%防ぐ
なお、ワクチンの効果が現れるまでには接種後約2週間かかり、その持続期間はおよそ5ヶ月とされています。
2. 決して軽く考えてはいけない「インフルエンザ脳症」
インフルエンザの合併症の中で、特に恐ろしいのが「インフルエンザ脳症」です。
免疫の異常な反応によって急激に意識障害やけいれんなどの神経症状が現れる病気で、主に0~19歳の子どもたちに多く見られます。
◎致死率の現状:昔に比べ適切な治療で10%以下まで下がったものの、治療が行われない場合の致死率は約30%にものぼる危険な病気です。
◎後遺症のリスク:一命を取り留めても、約15%にいてんかんや発達障害などの後遺症が残ると考えられています。
インフルエンザ脳症の年間報告数は、流行の規模によって毎年変動します(直近のシーズンでも多くの子どもたちが発症しています)。こうした重い合併症やリスクを防ぐためにも、ワクチン接種は非常に大きな意味を持っています。
3. ワクチンを活かすための大切なポイント
インフルエンザシーズンを安全に乗り切るために、以下のポイントを意識しましょう。
1)早めの接種がカギ:
流行が本格化する前、遅くとも12月上旬までに。流行の立ち上がりが早い年は10~11月頃の接種を心掛けましょう。
2)基本の感染対策も一緒に:
接種後も、手洗い・うがい・換気といった基本的な対策は続けましょう。
3)周りへ広げない配慮を:
ワクチンを打っていても発症することはあります。体調がすぐれないときは無理をせず、周囲へうつさない行動が大切です。
まとめ
「予防接種を受けたのにインフルエンザにかかってしまった」という場合でも、決してワクチンが無駄だったわけではありません。
症状を軽く済ませ、何より恐ろしい脳症などの重症化リスクから身を守る盾となってくれます。
正しい知識を持った上で毎年上手に活用し、自分と大切な家族の健康を守っていきましょう!
【参考資料】

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