近年、マダニを介した感染症「severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の感染者数が過去最多を更新しており、大きな懸念となっています。
特に、私たちの愛する犬や猫などのペットを介した「人獣共通感染症」としてのリスクが医学的にも確認されており、飼い主様にはより一層の警戒が求められます。
※日本国内での発生件数:
2017年の調査開始以降増加傾向にあり、累計では猫が1,000症例以上、犬が60〜70症例以上確認されていて、 2025年3月末のデータで、猫約1,013頭、犬約64頭が報告されています※
最新の医学的知見を踏まえ、ペットとご自身の安全を守るためのポイントを解説します。
1.SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは
SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する病気で発熱、嘔吐、下痢、血小板減少などの症状を引き起こし、致死率は人では10~30%、猫で約60%、犬で約40%にも及ぶ恐ろしい病気です。
現時点で有効な特効薬やワクチンは存在せず、早期発見と対症療法が治療の柱となります。
2.「ペットからの感染」という新たなリスク
かつては「マダニに直接咬まれること」が主な感染経路と考えられてきましたが、現在は「感染したペットとの接触」による感染リスクが明確になっています。
◎感染経路: SFTSを発症した犬や猫の血液、唾液、排泄物などの体液に触れることで、ウイルスが人に伝播します。
◎注意すべき事例: 実際に、獣医療関係者や飼い主が、体調不良のペットをケアする過程で体液に触れ、感染した事例が報告されています。
3.愛犬・愛猫を守るための予防策
ペットが感染源にならないためには、「ペット自身をマダニから守ること」が最優先です。
1)駆除薬の「通年投与」の徹底
季節を問わず、獣医師の処方によるノミ・マダニ駆除薬を定期的に投与してく室内飼育であっても、人や動物の移動によってダニが持ち込まれる可能性があるため、通年投与が推奨されています。
2)猫の室内飼育
猫の場合は、可能な限り外に出さない「完全室内飼育」が、マダニ接触リスクを劇的に下げます。
3)散歩中の対策と帰宅後のチェック
草むらや山林など、ダニの多い場所への立ち入りは控え散歩後はブラッシングを行い、体にマダニが付着していないか、ペットの体調に変化がないか(食欲不振、元気消失など)を毎日確認してください。
4)マダニを見つけたら無理に取らない
ペットにマダニが付いているのを見つけた場合、無理に引き抜くとダニの口器が皮膚に残ったり、体液が逆流してウイルス感染を助長する恐れがありますので、必ず動物病院で適切に除去してもらってください。
4.もしペットの体調が怪しいと感じたら
「普段と様子が違う」「発熱や食欲不振がある」といった場合は、安易に素手で触れないでください。
◎完全防御: ケアの際は手袋、マスク、ゴーグルなどを着用し、体液との接触を避けましょう。
◎獣医師へ相談: 感染を疑う場合は事前に病院へ電話連絡し、指示を仰いだ上で受診してください。
飼い主様の正しい知識と適切な予防措置が、ペットの命を救い、そしてご家族自身の身を守ることにつながります。
愛するワンちゃん、ネコちゃんのために今一度、マダニ予防の習慣を見直してみてください。
【参考資料】

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