血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2013年3月4日月曜日

尿検査-No.2 尿の色について-その4.白く濁る-


健康な人の尿の色は透明ですが、尿が白く濁っていたら、尿路に炎症などが起きている可能性があります。

また、食べ物や飲み物、または体調よって白く濁ることがあります。

殆どの場合は心配ありませんが、場合によっては尿中の塩類が結晶化して白く見えることもあり、この場合は尿路結石が原因の時もあります。


腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などの尿路感染症の場合には細菌などが侵入して、尿の中に白血球が混じり、それによって尿が白色に濁ってきます。

また、炎症性または化膿性疾患が原因の時は、膿によって白く濁る(膿尿)ことがありますが、この場合は排尿痛・発熱・腹部痛などを伴います。

膿尿ではなく尿が濁ってくる病気に乳び尿症と言う病気がありますが、これは腎臓でリンパ液が尿中に逆流してしまう病気です。

滅多にない病気ですが南九州や南方に多くフィラリアの感染と関係がある病気です。

何れにしても尿が白くにごり排尿時の痛みや尿の回数が増えたり、発熱・腹部痛が伴えば放置しないで必ず受診することです。

2013年2月26日火曜日

尿検査-No.2 尿の色について-その3.オレンジ色や黄緑色-


ビタミン剤を服用すると尿がオレンジ色や黄緑色になります。

特にビタミンB2の場合は、尿の色が蛍光の黄緑色になることがあります。

この場合は、ビタミン剤が原因ですから何の心配もありません。

ビタミン剤の服用が原因の時は、ビタミン剤の服用を中止すれば、もとの黄色~琥珀のような淡黄色で透明な尿に戻ります。

しかし、服用を中止ても尿の色が黄緑色で毎日続くようであれば、肝臓や胆嚢の病気が考えられますので、直ぐに受診することです。

2013年2月19日火曜日

尿検査-No.2 尿の色について-その2.色が薄くほとんど無色透明-


尿の色はもともと健康(正常)なときは黄色~琥珀のような淡黄色で透明です。

尿の色が薄く、ほとんど無色透明な場合は、糖尿病の人に多く見られます。

糖尿病の人は、尿として多量の水分が排泄されることから、喉が渇くことが多くそのために多量の水を飲むようになってしまいます。

多量の水分を取ることにより、尿量が異常に多くなり尿の色が薄くなって無色透明のようになってしまいます。

糖尿病の人は、排泄される尿量が多いために、尿の色素成分であるウロクロムが希釈されてほとんど無色になってしまいます。

※健康な人が多くの水を飲み一次的に尿の色が薄くなっても、直ぐに元に戻りますから心配は無用で※

【おまけ】

糖尿病の人の尿は甘い又は甘酸っぱい臭いがすることが多くあります。

普通ブドウ糖の血漿濃度が 200mg/dlを超えると尿に糖がでてきます。

尿中にブドウ糖が排泄されることから、尿が甘い又は甘酸っぱい臭いがする訳です。

2013年2月12日火曜日

尿検査-No.2 尿の色について-その1.赤色~赤褐色-


尿の色が赤色~赤褐色になっているのは、もっとも注意が必要です。

尿が赤く見えるのは、尿に赤血球が混じっているのからです。

これを血尿と呼びます。

血尿が出ることは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の尿路の何処かに病変がある可能性があります。

病変の箇所から出血して尿に血液が混ざっているということです。

尿路結石が原因の場合は、尿に血液が混ざると同時に、腹部や背中の激痛が起こります。

女性の場合は、生理中は尿に血液が混ざることがあるので、尿に血液が混ざった場合は生理中であるか否かを考慮する必要があります。

また、尿の色が紅茶色・赤ワイン色・赤褐色になる場合は、肝炎により腎臓が侵されている場合に起こることもあります。

血尿が出ても痛みがなく自覚症状がない場合は、ガンも疑われます。

一度でも血尿が出れば直ぐに受診することをおすすめします。

それほど血尿は危険性が伴う尿です。

2013年2月3日日曜日

尿検査-No.2 尿の色について-


尿の色の変化によって、身体の健康状態を知ることができます。

健康な人の尿の色は、黄色~琥珀のような淡黄色で透明です。

尿の色が淡黄色なのは、胆汁に含まれるビリルビンという尿中色素のためです。

尿の色は健康な人でも時間的に変化します。

水分を多く摂った時は無色透明になります。

また、健康な人でも朝に起きた時の最初の尿や、運動・発汗・風邪などの発熱時などには尿の色が濃い黄褐色になります。

このようなことは、一時的なことで病気の心配はありません。

これは、身体の水分が一次的に奪われているために、尿が濃縮されたために尿が濃くなるのです。

また、食べ物の色素や着色料そのもの色が尿に出て、赤褐色や赤色・濃い緑色などさまざまな色になります。

更に尿の色は体調や季節などでも変化します。

このように尿の色は多彩ですが、よく観察することで体の健康状態を知ることができます。

次回からは尿の具体的な色について解説していきます。

2013年1月27日日曜日

尿検査-No.1 尿検査とは-


尿検査は、排泄された尿で検査を行います。

一般的には「検尿」と呼ばれ、体調が悪く受診した時の検査や健康診断の際にも実施されます。

尿は、血液中の人体に有害な物や新陳代謝の老廃物などを体外へ捨てるために腎臓で濾過されて作り出されます。

普段、何気なく排泄している尿は一種の生理現象としての認識しかありませんが、尿を調べることはその人の健康状態を確かめる大切な検査のひとつです。

健康な人では、1日に約1500ml前後の尿を排泄しますが、身体の調子が悪ければ、尿にもその異常が表れます。

例を上げれば、尿に血が混じったり、ニオイがいつもと違ったり、排尿時に痛みを伴うなど、さまざまな症状が現れます。

尿検査では、以下の項目を調べます。

1.尿の色調と比重

2.pH

3.タンパク質

4.糖

5.ウロビリノーゲン

6.結石の有無

7.尿路感染の病原体

8.妊娠テスト

9.赤血球・白血球の有無

10.薬物

次回からそれぞれの検査項目について詳細に紹介していきます。

2013年1月19日土曜日

インフルエンザ迅速検査について


013年1月現在、全国的にインフルエンザが流行期に入りました。

手洗い・マスクの着用・ウガイを励行して各自が感染予防に心がけて下さい。

今回は、インフルエンザについて解説します。

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3型に分類されています。

毎年定期的に流行するのは、A型のインフルエンザウイルスです。

A型インフルエンザウイルスはヒト、鳥類、ウマ、ブタなどに感染します。

B型ウイルスの場合は、毎年の季節性A型インフルエンザの流行が終わった直後の2月~3月にかけて流行する事が多いようです。

そして、ヒトからヒトへの感染経路をもつウイルスとして確認されています。

C型インフルエンザは、症状が通常のかぜと同程度であり流行性が低いウイルスであるためにあまり馴染みがありません。

近年では、インフルエンザの感染を簡単に検査できる迅速検査キットの普及により、インフルエンザは冬だけでなく一年中を通じて発生していることが明らかになっています。

咽頭拭い液や鼻腔拭い液などの検体を使って迅速にインフルエンザを診断するキットが普及して、利用されていますが、検査を受けるタイミングによっては、インフルエンザに感染していても陰性となることがあります。

検査で陽性と出た場合は、まずインフルエンザと断定して間違いはありませんが、陰性と出た場合にはインフルエンザであることもインフルエンザでないこともあり得るので注意が必要です。

【インフルエンザ検査を受けるタイミング】

インフルエンザに感染して発病後24時間以内で受けると、まず陰性(偽陰性)となってしまいます。

その為に診察した医師は、"検査は陰性だあるが、臨床症状や流行状況から考えてどう考えてもこれはインフルエンザ"と考えれば発症後48時間以内なら効果のある抗インフルエンザ薬を処方します。

医師が抗インフルエンザ薬を処方した場合には検査の結果が陰性であっても指示通りに服薬を続けることは必要です。

インフルエンザ検査を受けるタイミングは、発熱した24時間~48時間以内が検査の陽性率も高く抗インフルエンザ薬の効果も期待できるタイミングと言えます。

重要なことは、発熱したら直ぐにでも受診してインフルエンザの検査を受けることが良いとは言えません。