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2021年11月28日日曜日

新型コロナウイルス-45.南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株オミクロン-

 2021年11月26日世界保健機関は南アフリカで新たに見つかった新型コロナウイルスの変異株「B.1.1.529」に対して、懸念される変異株(Variant of Concern : VOC)に指定し、オミクロンと命名しました。


この変異株は2021年11月9日に南アフリカで初めて見つかり、同月24日に南アフリカによって世界保健機関に初めて報告されています。


オミクロン株は多数の変異があり、デルタ株など他の懸念される変異株(VOC)よりも再感染リスクが高いことを示す「暫定的な証拠」があり、感染拡大のペースも速い可能性があるとした。

従来のPCR検査で検出は可能ですがオミクロンの感染力・重症度・ワクチンに対する効果・治療などに関しての分析は今後数週間以上かかるとされています。


※懸念される変異株(VOC)は最も危険視される変異株の分類に属し、現在世界の主流株となっているデルタ株や、アルファ株やベータ株、ガンマ株が指定されています※


この変異株は南アフリカで急速に感染が拡大し、周辺国にも広がっていることから、感染力が強い可能性があり警戒が必要とされています。


ここでひとつ素朴な疑問がおこります。


世界保健機関は、新型コロナウイルスの変異株の命名方法として24文字のギリシャ文字を順番に使うと言っていながら今回はその順番を変えたことです。


一つ前の変異株はミュー株ですから本来ならこの変異株には、ミューの次のニューを使うはずですが、今回はなぜかニューとクサイのふたつを飛ばしてオミクロンを使いました。

これは何故なのでしょうか?


現在の世界保健機関のやることは全てといつて良いくらい一貫性がなく、信用できない国際機関となっています。


このことは多くの人が疑問に思っていることと思います。


【日本国内の動き】


2021年11月26日国立感染症研究所は、オミクロン株の警戒レベルを3段階中2番目に高い「注目すべき変異株(Variants of Interest:VOI)」に位置づけました。


日本国内では2021年11月26日までに国内や検疫で見つかってはいません。


このオミクロン株の性質は「十分な情報が得られていない」発表されていて監視態勢を強化しています。

2021年11月21日日曜日

HIV感染のタイムテーブル

 1.感染後5日間は、暗黒期(eclipse period)と呼ばれどの検査法でも感染を証明することは不可能です。


2.感染後6~8日においては、核酸増幅検査(リアルタイムPCR)で検出可能とされていますが、実際は11日以降に受けることで感染を見逃すことはありません。


3.感染後13~18日においては、HIV-1ウイルス蛋白(p24抗原)が検出可能となるりますが、その量が少ないと見逃す可能性が高いことから、感染後30~50日以内に受ければ見逃すことはありません。


※p24抗原は、HIV-1のカプシドの構造蛋白で、感染初期に検出され抗体陽転(seroconversion)すると消失します※


※HIV抗体が産生される前比較的初期HIV感染を検出できます※


3.感染後20日でIgM抗体検出が可能となりますが、やはり血液中のIgM抗体が少ないと見逃してしまいます。


4.感染後30日でIgG抗体検出が可能となりますが、やはり血液中のIgG抗体が少ないと見逃してしまいます。


第四世代のHIVの簡易検査は、HIV-1の「構造蛋白」p24抗原とIgM、IgGの抗体検出可能とされていてp24が感染後13~18日からわかることからして、不安な行為から3週間経過していればほぼ判定可能と言われていますが、人によっては血液中のp24抗原とIgM、IgGの抗体の量が少ない場合偽陰性となってしまいます。


従って第四世代のHIVの簡易検査は不安な行為から30日以降に受ければ偽陰性は防止できます。


5.確認検査


HIVスクリーニング検査で陽性となった場合、HIV-1とHIV-2をWestern Blotting(WB)法で鑑別確認を行いますが、この検査は感度が悪いことから、核酸増幅検査(リアルタイムPCR)で陽性となった場合や抗原抗体検査の早い時期に陽性となった場合は、あまり役に立たない検査です。


早期に陽性となった場合は、核酸増幅検査(リアルタイムPCR)で確認検査を行います。


HIV-2とはHIV-1発見より数年後に発見されたウイルスで西アフリカに多く、HIV-2に感染してもAIDSはめったに発症しません(LTNPs : long-term non-progressorsと言います)。


HIV感染して5年後AIDSを発症しないのはHIV-1が67%、HIV-2は100%という調査結果があります。


HIV-2が特に多い地域は、象牙海岸、ブルキナファソ、ギニアビサウ、セネガル、ガンビアなどの西アフリカ諸国です。


HIV-2は核酸増幅検査(リアルタイムPCR)やp24抗原で見つけることは出来ず、抗体検査のみでしか検出できませんので、HIV-2の感染を疑った場合は、確認検査としてWB法を行います。


HIV-2抗体は感染後12週で検出可能となりますから、現在でもHIV抗体検査でしか見つけられません。


日本国内でのHIV-2感染者は数例しか見つかっていません。

2021年11月14日日曜日

新型コロナウイルス-44.新型コロナワクチンの種類-

2021年11月 時点で使用されている新型コロナワクチンについて解説いたしします。


1.ドイツビオンテック/米ファイザー製やモデルナ製は、mRNAというウイルスの遺伝子コードの一部を注射することで人間の免疫システムを活性化して感染予防するワクチンです。

※有効性 90%


2.英国アストラゼネカ製は、チンパンジーがかかる風邪ウイルスを遺伝子操作したもので、「スパイクたんぱく質」と呼ばれる新型コロナウイルスの一部の「設計図」が含まれ、これを体内に接種することで生体はスパイクたんぱく質を作り始めます。


そして人の免疫系がこれを攻撃することを学習し、やがて実際に新型コロナウイルスが体内に入ったときには、同じようにこれを攻撃できるようになるワクチンです。


※有効性 76%


3.中国製ワクチンは、新型コロナウイルスを化学的に処理して不活性化した新型コロナウイルスの一部を使って体の免疫系を刺激する不活化ワクチンです。


※有効性 79%とされていますが、実際はもっと低いと考えられています※


※※妊婦に対する安全性や、高齢者や基礎疾患のある人への安全性と有効性のほか、承認後の安全性監視手続きで発覚した副反応の評価について、信頼できる科学的証拠が足りないとも指摘されています※※


4.ロシア製スプートニクスVワクチン


ロシア2020年8月、世界に先駆けて国産ワクチンのスプートニクVを承認し使用し始めましたが、最終段階の大規模な治験の結果が出る前だったため、安全性を疑問視されています。


このワクチンはアデノウイルスウイルスベクターワクチンで、コロナウイルスのタンパク質を作る遺伝子を改良したヒトの風邪ウイルスを使って体内に運び、免疫反応を引き起こす。


医学雑誌ランセット誌のコメントは批判の背景として、開発のスピードや透明性の欠如があったと指摘しています。


有効性は91.6%とされています。


まとめ


新型コロナワクチンの開発で、異なる有効性のデータが表れるのは中国製ワクチンだけでなく、スプートニクスV、英アストラゼネカ、ドイツビオンテック/米ファイザー製やモデルナ製も同様です。


問題は中国やロシアの開発メーカーは欧米企業に比べて安全性や試験に関する情報の開示が少なく、疑いを高めているということです。


2021年11月時点では、日本国内に置いて認可されたワクチンは、ファイザー製、モデルナ製、英アストラゼネカ製の三種類だけです。


中国製とロトア性ワクチンは日本国内では認可されておらず使用されていません。


日本製ワクチンは未だ1社も認可されていません。

2021年11月7日日曜日

2020年1年間のHIV感染者とAIDS患者数

 1.新規HIV感染者数・・・750人


2.新規AIDS患者数・・・345人


3.新規HIV感染者数と新規AIDS患者数総数・・・1095人


4.新規HIV感染者の感染経路と年齢層


・同性間感染・・・543人(全HIV感染者報告数の約72%)


・異性間感染・・・96人(全HIV感染者報告数の約12%)


・薬物注射・・・5人


・母子感染・・・1人


※年齢別では特に 20~40 歳代が多い※


5.新規AIDS感染者の感染経路と年齢層


・同性間感染・・・190人(全AIDS感染者報告数の約55%)


・異性間感染・・・57人(全AIDS感染者報告数の約16%)


・薬物注射・・・3人


・母子感染・・・0人


※年齢別では特に 30~50 歳代が多い※


6.まとめ


1)2020年の新規HIV感染者報告数は、2019年より減少しており、4年連続での減少となっていますが、新型コロナウイルス流行による検査者の減少が影響している可能性は否定できません。


2.新規HIV感染者及び新規AIDS患者報告の感染経路は、性的接触によるものが80%以上を占めており、やはり男性同性間性的接触によるものが多い。 


2021年10月31日日曜日

新型コロナウイルス-43.マスクの種類別の新型コロナウイルスの予防効果-

 まずマスクの正しい使用法とは、


1.マスクは鼻にフィットさせてしっかりとした着用を徹底し、感染リスクの比較的高い場面では、過能な限りフィルター性能の高い不織布マスクを着用し、三密のいずれも避け、特に人と人との距離は十分に取る。


2.いくらマスクをしっかりと着用していても、室内で会話時間は可能な限り短くし、大声は出さないように心がける。


3.当然換気には注意する。


国立研究開発法人・理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーション結果から判明した、マスク着用者が吐き出す飛沫のカット率は以下のとおりです。


【マスク着用者が吐き出す飛沫のカット率】


1.不織布マスク・・80%


2.ウレタンマスク・・50%


3.布マスク・・66~82%


【他人から吐き出される飛沫のカット率】


1.不織布マスク・・70%


2.ウレタンマスク・・35~45%


3.布マスク・・30~40%


この結果からして不織布マスクとそれ以外のマスクの性能差、とりわけ頻用されているウレタンマスクの性能の低さは明白となっています。


この差からして感染力の非常に強いデルタ株でこの差はかなり大きいと推測されます。


※敏感肌や皮膚疾患があるため、かぶれ防止で不織布以外のマスクを選択している方は、不織布マスクと皮膚の間に綿ガーゼを挟む・マスクの接触部分の汗をこまめに拭くなどで、一定のかぶれ防止効果が得られます※


マスクでの感染予防において装着法が重要となります。


不織布マスクを着用する際には鼻の部分をフィットさせ、着用時はまずノーズピースをきちんとフィットさせ、そこを抑えたままプリーツを引き延ばして顎にかけ、最後に耳ゴムをかけることでマスクと顔面の隙間を過能な限り少なくすることが感染対策して重要となります。


外出は必要最低限しかしなかった、更に外食もせず、職場でも常にマスクをしていたが感染してしまったと嘆く話をよく耳にすることがありますが、これは何故なんでしょぅか?


これらを分析しますと以下のことが明らかになっています。


1.勤務先でマスクをしていたが、窮屈になり顎マスクにした時に隣席の人と会話をした。


2.休憩所や更衣室でマスクを外した時に他の人と会話をした。


3.混み合っていた喫煙所に入ってタバコを吸った時。


デルタ株が流行している現在1~3の行為は当然感染リスク高い行為となってしまいます。


また、ウイルス量が多いデルタ株の場合、当然ながらマイクロ飛沫感染のリスクが高まるため、室内の換気も今まで以上に重要となります。


換気を行う場合は、窓や扉を2ケ所以上開けて空気の流れを作ることが重要です。


窓が1箇所しかない場合は、空気の流れを作るために扇風機や換気扇を併用して空気の流れを作り換気できるようにすることです。

2021年10月24日日曜日

2021年冬インフルエンザ大流行の可能性!!??

 新型コロナウイルスが猛威を振るった昨季(2020~2021)はインフルが全くと行って良いくらい流行せず、今季(2021~2022)も2021年10月現時点で患者はほぼ報告されていません。

しかし日本感染症学会関連学会は、今季は流行の可能性があると予測していて、ワクチン接種を検討してほしいと呼び掛けています。


厚生労働省は2020年、秋から春にかけて全国の医療機関から届出があった患者数は9人で、流行の兆しは見られていないとしています。


ところが世界保健機関は、バングラデシュやインドなどで今夏に流行が確認されていて、海外では今後の流行を警戒する動きが出ており、英国政府は今年は例年の1.5倍の流行になる可能性があるとして注意を呼び掛けています。


日本感染症学会は、新型コロナウイルス感染防止で2020年から定着したマスク着用などの感染対策が効果を発揮したと指摘しています。


反面今季については、海外からの人の往来が再開されれば、世界中へインフルエンザウイルスが拡散されると懸念しています。


現時点ではインフルエンザと新型コロナウイルス感染症との症状の見分けがつかないことから、治療の遅れも懸念されています。


2019~2020年シーズン、インフルエンザに罹患した人は極めて少なかったことからして社会全体の集団免疫が形成されていないことから、一度流行が始まれば大流行する危険性が指摘されています。


個人的な意見となりますが、2021~2022年シーズンにおいても、インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨します。


ただしインフルエンザワクチンを接種するか否かは、メリット、デメリットを良く判断して決めてください。


日本感染症学会の『2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方』のリンクページを以下に記載しておきますから、よくお読みください。


https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=44


日本感染症学会 https://www.kansensho.or.jp/

2021年10月17日日曜日

新型コロナウイルス-42.新型コロナウイルス抗原検査キットについて-

 現在ネット等で販売されている新型コロナウイルス抗原検査キットは、国が承認した体外診断用医薬品ではなく、研究用として販売されている検査キットです。


この研究用検査キットは、感度や特異性など検査キットが本来有する性能等が確認されていません。


研究用検査キットは、新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としているものではありません。


研究用検査キットの中には、あたかも国が承認したものであるかのような表示をしている物もあることから購入時には十分注意して体外診断用医薬品を購入してください。


【購入時の注意点】


薬局にて薬剤師に相談して必ず「体外診断用医薬品」と表示されたキットを購入してください。


2020年5月エスプラインSARS-CoV-2(富士レビオ)、2020年8月クイックナビ-COVID19Ag(デンカ株式会社)、2020年10月イムノエースSARS-CoV-2、キャピリア SARS-CoV-2(株式会社タウンズ)が順次承認を受けた、2021年10月現在14社16製品のイムノクロマト法による抗原簡易検査キットが承認されて薬局で販売されています。


【特徴】


・感度はPCR検査に比べてかなり低い。


・特異性は非常に高い。


【検査検体】


鼻の奥、鼻咽頭の中に綿棒を入れる「鼻咽頭ぬぐい液」の採取がもっとも感度がよい方法ですが、一般の人にはなかなか難しい手技であるため、「鼻腔ぬぐい液」を採取するのが一般的です。


【判定】


15~30分で結果が分かります、この時間はメーカ添付文書に記載された時間を厳守する必要があります。


・陰性・・・抗原検査陰性即ち感染していないことを正しく判定できる感度は約40~90%と製品ごとにばらつきがあります。


※無症状の場合、ウイルス量がとても少ない可能性があるので、感染していても陽性とならない「偽陰性」が起こることは否定できません※


※検査が陰性であっても新型コロナウイルス感染症の症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください※


・陽性・・・抗原検査陽性即ち感染しているを正しく判定できる特異度はほぼ100%です。


・判定保留・・・陰性又は陽性の判断がつきにくい場合ですが、再度検査をする必要があります。


【抗原検査を薬局販売した目的】


厚生労働省の承認を受けた新型コロナの抗原検査キットは、現時点では「健康なときに薬局であらかじめ購入しておき、症状が出た場合に自宅で検査をおこなう」という使い方を想定していますので、体調不良時に近所の薬局へ抗原検査キットを買いに行くのではなく、このような場合は薬局ではなく医療機関を受診する必要があります。


【購入時の注意点】


承認された抗原検査キットを購入する場合、薬剤師から検体の採取方法などの説明を受け、最後に内容を理解したかどうか確認する書類に署名が必要です。