エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)は、豚、犬、猫などの腸管や自然環境中にいる細菌です。
シカ、イノシシ、ネズミなどの野生動物、犬や猫などのペットの糞便、河川水などから見つかっています。
エルシニア・エンテロコリチカは、1939年に胃腸炎の原因菌として発見され、その後発生頻度が低いことから忘れられていましたが、1970 年代になって豚肉の汚染と関連して注目を浴び、米国では年間 3000~20000人の患者発生があると推定されています。
ヒトに対して病原性を示す血清型の分布調査で、健康なブタ、イヌ、ネコ、 ネズミなどが保菌しており、これから飲食物への汚染が感染経路と考えられています。
食中毒の起炎菌として有名ですが、ペットや動物からも感染する人獣感染症としても注目されています。
【菌の性状】
0~4度の冷蔵庫内の温度でも増殖可能です。
このように寒冷に強いため、エルシニアは"好冷菌"と呼ばれることもあります。
【症状】
臨床症状は腹痛や下痢などの胃腸炎症状が主なもので、発熱、頭痛など、風邪のような症状を伴うこともあります。
右下腹部痛(特徴的)・吐き気・嘔吐などの症状から虫垂炎と診断されてしまう場合もあります。
【検査】
エルシニア感染症の確定診断には、糞便からエルシニア菌の検出が必要となります。
下痢便には多くのエルシニア菌が存在するので、選択培地で直接分離することが可能で、分離培地にはSS寒天、マッコンキー寒天、CIN 寒天などを用います。
患者の初期血清と回復期血清でエルシニア菌に対する血液中の抗体価を測定します。
エルシニア菌の分離ができず、抗体価の上昇が認められた場合でも、本感染症が強く疑われます。
【治療】
自然治癒傾向が高いので、食事制限をし、水分を多めに取る以外は特別な治療は必要ありません。
たまに重症化する事がありますが、この場合は抗菌剤を使用します。
トリメトプリンサルファメトキサゾール(ST合剤)、セフォタキシム、フルオトキノロンなどが効果があるとされています。
【予防】
1.この菌は低温でも増殖しますから、冷蔵庫を過信しない。
冷凍された食品中でも、長期にわたって生存可能ですので注意が必要です。
2.生の肉や、加熱不十分な肉は、食べない。
3.生水を飲まない。
4.料理前、食事前は、手をよく洗う
5.ペットや動物と接触した後、生の肉を扱った後、トイレの後は良く手を洗う。
6.肉用のまな板と他の食材用のまな板とは区別する。
7.ペットの糞は衛生的に処理する。
【献血とエルシニア】
エルシニアに感染した場合血液中にエルシニアが入り込んでいますから献血はできません。
エルシニアの含まれた血液は4~6度で保存しても菌は死ぬことはなく増殖しています。
その為1ケ月以内に発熱を伴う食中毒と見られる激しい下痢をした人は献血はできません。
輸血を介したエルシニア・エンテロコリティカの感染についてわが国では報告例がありませんが、米国では死亡の危険率は輸血1単位当たりおよそ900万の1と推定されています。
米国においては1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告があり、1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があります。
6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下をきたし,内1名は10分以内に激烈な下痢をおこし、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。
現在、スクリーニングに適した信頼性のある検査法は存在していません。
米国において1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告されていますが,1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があり6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下を起こし,内1名は10分以内に激烈な下痢が起こり、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。
シカ、イノシシ、ネズミなどの野生動物、犬や猫などのペットの糞便、河川水などから見つかっています。
エルシニア・エンテロコリチカは、1939年に胃腸炎の原因菌として発見され、その後発生頻度が低いことから忘れられていましたが、1970 年代になって豚肉の汚染と関連して注目を浴び、米国では年間 3000~20000人の患者発生があると推定されています。
ヒトに対して病原性を示す血清型の分布調査で、健康なブタ、イヌ、ネコ、 ネズミなどが保菌しており、これから飲食物への汚染が感染経路と考えられています。
食中毒の起炎菌として有名ですが、ペットや動物からも感染する人獣感染症としても注目されています。
【菌の性状】
0~4度の冷蔵庫内の温度でも増殖可能です。
このように寒冷に強いため、エルシニアは"好冷菌"と呼ばれることもあります。
【症状】
臨床症状は腹痛や下痢などの胃腸炎症状が主なもので、発熱、頭痛など、風邪のような症状を伴うこともあります。
右下腹部痛(特徴的)・吐き気・嘔吐などの症状から虫垂炎と診断されてしまう場合もあります。
【検査】
エルシニア感染症の確定診断には、糞便からエルシニア菌の検出が必要となります。
下痢便には多くのエルシニア菌が存在するので、選択培地で直接分離することが可能で、分離培地にはSS寒天、マッコンキー寒天、CIN 寒天などを用います。
患者の初期血清と回復期血清でエルシニア菌に対する血液中の抗体価を測定します。
エルシニア菌の分離ができず、抗体価の上昇が認められた場合でも、本感染症が強く疑われます。
【治療】
自然治癒傾向が高いので、食事制限をし、水分を多めに取る以外は特別な治療は必要ありません。
たまに重症化する事がありますが、この場合は抗菌剤を使用します。
トリメトプリンサルファメトキサゾール(ST合剤)、セフォタキシム、フルオトキノロンなどが効果があるとされています。
【予防】
1.この菌は低温でも増殖しますから、冷蔵庫を過信しない。
冷凍された食品中でも、長期にわたって生存可能ですので注意が必要です。
2.生の肉や、加熱不十分な肉は、食べない。
3.生水を飲まない。
4.料理前、食事前は、手をよく洗う
5.ペットや動物と接触した後、生の肉を扱った後、トイレの後は良く手を洗う。
6.肉用のまな板と他の食材用のまな板とは区別する。
7.ペットの糞は衛生的に処理する。
【献血とエルシニア】
エルシニアに感染した場合血液中にエルシニアが入り込んでいますから献血はできません。
エルシニアの含まれた血液は4~6度で保存しても菌は死ぬことはなく増殖しています。
その為1ケ月以内に発熱を伴う食中毒と見られる激しい下痢をした人は献血はできません。
輸血を介したエルシニア・エンテロコリティカの感染についてわが国では報告例がありませんが、米国では死亡の危険率は輸血1単位当たりおよそ900万の1と推定されています。
米国においては1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告があり、1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があります。
6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下をきたし,内1名は10分以内に激烈な下痢をおこし、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。
現在、スクリーニングに適した信頼性のある検査法は存在していません。
米国において1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告されていますが,1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があり6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下を起こし,内1名は10分以内に激烈な下痢が起こり、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。
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