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2014年12月17日水曜日

寄生虫感染症検査-2.アニサキス検査-

【アニサキスとは】

線形動物門双腺綱桿線虫亜綱カイチュウ目アニサキス科アニサキス属に属する動物の総称で、海産動物に寄生する寄生虫です。

【アニサキスの感染経路】

サケ、サバ、アジ、イカ、タラなどの魚介類から感染する。

【アニサキスの寄生部位】

胃・腸などの消化管に寄生する。

寄生する場所によって、以下のように分類される。

1.胃アニサキス症

2.腸アニサキス症

3.腸管外アニサキス症

4.アニサキスアレルギー

アルサス型のアレルギー反応で、初回感染時は無症状ですが再感染により発症します。

イカ、サバ、ハマチ等を摂取した際、発疹などのアレルギー症状を起こすことがありますが、アレルギー検査で食べた魚介類では陽性反応を示さない場合は、アニサキスによるアレルギーが原因の可能性があります。

【症状】

胃アニサキス症は、食後数時間のうちに始まる激しい腹痛と嘔吐で、嘔吐に際しての吐瀉物は胃液のみで、下痢も一切認められません。

この激しい痛みは、アニサキスが胃壁や腸壁を食い破ろうとするために生ずる症状です。

【治療】

胃内寄生の場合は、胃カメラで消化管粘膜上のアニサキスを確認し、鉗子を用いてアニサキスを摘んで取り除くか、開腹手術を行いアニサキスを取り除きます。

寄生したアニサキスを取り除くことにより、痛みなどの症状が消失します。

特異的な治療薬は現在ではありません。

デカドロンRや強力ネオミノファーゲンシー、セレスタミンRやプレドニゾロンを投与すると症状が軽快するという報告があります。

【感染予防対策】

海産魚介類を生で食べないことと、60℃で1分以上の加熱処理後に食べる。

-20℃,24時間以上の冷凍保存によってアニサキスは感染性を失うので,魚を冷凍して解凍後に生で食することは感染予防に有効とされています。

※醤油・わさび・酢がアニサキス症の予防に有効と一部では言われていますが、料理で使う程度の量や濃度,処理の時間ではアニサキスは死ぬことはありません※

【抗アニサキスIgG・IgA抗体検査】

エライサ法によって血清中の抗アニサキスIgG・IgA抗体を調べます。

内視鏡で虫体を確認できないアニサキス症の診断に用いられます。

【検査の原理】

検体中の抗アニサキス抗体はマイクロプレートに固相されたアニサキス特異抗原と反応し、次に添加されたペルオキシターゼ標識二次抗体と複合体を形成し、固相の抗原に結合した抗体の量は酵素の量に反映されるので、その酵素活性を測定することにより抗体価を計算で求めます。

【判定】

カットオフインデックス1.50以上を陽性とする。

【異常値を示す場合】

アニサキス感染が疑われる。

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