性感染症の中で梅毒の増加は世間を騒がせていますが、その裏で静かに増加しているのが赤痢アメーバ症です!!
発展途上国では汚染された食べ物を口にすることで感染することの多い病気ですが、衛生環境が維持されている先進国ではむしろ性行為での感染が増えているのが現実です。
潜伏期間は2~4週間で、典型的な症状は下痢、高熱、しぶり便、それに排便時の下腹部痛など大腸炎の症状を繰り返します。
診断の決め手となるのは、イチゴ状の粘血便です。
トイレットペーパーに血がつくため痔と間違える患者さんもいます。
2024年初からの新規感染者報告数は272人で、前年同期の255人を上回っています。
【検査法】
①顕微鏡下での病原体検査
② ELISA法またはイムノクロマト法による抗原検査
③ PCR 法による病原体遺伝子検査(一部の研究施設でしか利用できない)
④赤痢アメーバ抗体検査(2017年に検査薬製造中)
※現在の検査法※
糞便を直接または生理食塩水で溶解し、カード式の検査キットで判定する「糞便迅速抗原検査」が用いられます。
これは特別な機器は不要で、30分以内に感染の有無を判定できます。
この検査は、栄養型の表面タンパク(レクチン)に対するモノクローナル抗体を用いたイムノクロマト法で栄養型を検出するため、特異度が高く、偽陽性の頻度は極めて低い検査法です。
【参考資料】
リミング(肛門を舐める)・肛門性交・肛門性交をした後にキスやフェラチオをするなどの行為でアメーバ赤痢は感染しますのでこれらの行為を慎む必要があります。
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